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中学校制服

経過

2018年6月議会 一般質問で学校における環境整備について質問

2020年3月議会 一般質問で

 男女共通制服のブレザーやスラックス、市内標準服の導入について提言

2021年9月議会 スラックスの導入状況を確認し、周知を要望

​2022年4月から市内中学校でスラックスが導入される

2018年6月議会 一般質問~学校における環境整備について~

【質問】

岡山大病院ジェンダークリニックで医師を務める中塚教授によると、同クリニックの受診者1167人に実施したアンケート結果,約9割が「中学生までに体の性別に違和感を抱いた」と回答したそうです。体の悩みや周囲の無理解でいじめを受けたなどとして、小学生や中学生で自殺を考えたと答えた当事者も多かったともあります。中塚教授は「子どもに性の多様性を伝えるには学校の役割が一番大切。正しい知識を子どもたちに伝えることで、性の多様なあり方を受け入れられる子どもが増え、当事者も過ごしやすい環境をつくれる」と話しています。教師や友達から理解されず、精神的に追い詰められ、不登校やリストカットなどにつながる子どもも少なくありません。

質問します。学校教育において,制服,名簿,トイレなど,どのような配慮をされているのでしょうか。

【答弁】

制服については,特に配慮を行っている学校はありません。名簿については,5月現在で役56.4%の学校で男女混合名簿が利用されています。トイレについては,校内の多目的トイレや職員用トイレの使用を認めています。また,多目的トイレの扉に,男女の顔のイラストで掲示するなどの配慮している。

2020年3月議会

(1)制服の目的

(2)男女共通制服のブレザーやスラックスの導入

(3)市内標準服の導入

【背景】

2018年6月の議会で,男女混合名簿や男女共通制服,多目的トイレ,教職員へのLGBT研修等について質問させていただきました。その後の同僚議員の質問で,名簿等については市内全域に進んでいることがわかりました。しかし,制服については進みが遅いようです。本市においても,県立高校で,男女共通の制服の検討が始まっているようです。自由に服装を選ぶことのできる小学校,1種類の制服しかない中学校,選ぶことのできる制服がある高校,という形になります。都市部に行けば,私服の公立高校もあります。制服があるからこそ起こる問題もあるのではないかと感じるところです。

(1)制服の目的について

【質問】制服を導入する目的としては,過去には,学校を区別できることや,学校という集団の連帯感を持たせることが1つにあると思います。また,高校では愛校心を育むためであったり,伝統を守るためであったりし,そして規律を守らせるということもあると思います。ここ最近では,機能性であったり,経済性がいわれるようになりました。しかしながら,公立小学校で高価なアルマーニ制の制服を採用され話題になったこともありました。

質問します。本市においては中学校全校に制服を規定する目的は何でしょうか?

【答弁】

制服については,各中学校の判断で導入している。制服を規定することは,保護者の経済的負担を軽減できるという目的がある。同じ制服を着ることで,制服がいわゆるユニホームとしての意味合いをもち,学校への所属意識や連帯感を高めるという目的もある。

【質問】

大きく2つの目的があるようです。制服の価格は学校にもよりますが,男子の場合は複数の業者から購入でき,1組で,最大約5万3200円,最低でも約1万8600円かかるようです。女子の場合は,学校の特色があるため,1業者からしか購入できないことが多く,約4万円かかるようです。予備も含めて2組買うと倍になります。私が過去に勤務していた高校で,高校入学を辞退した生徒のうち1人の理由が,制服が購入できないということで辞退した生徒がいました。最近は私服であっても,安価で品質のよい服が多く販売されております。市外のある学校の話になりますが,購入者が少ないと価格が上がるため,全員購入しなければならない学校もあります。

質問します。保護者の経済的負担を軽減できているのでしょうか?

【答弁】

私服と制服でどちらの費用負担がおおきくなるのかは家庭の状況によりことなるため,具体的な調査やデータは示されていない。平成29年度に公表されました公正取引委員会の調査報告書によると学校が制服を指定する理由として,約6割の学校が「生徒や保護者の経済的負担を軽減するため」と回答している。制服については,兄弟姉妹館や先輩から譲り受けるなどしてリユースができる。

 

【質問】

制服の乱れは心の乱れ,と言われることがあり,学校への所属意識や連帯感を高めることも大切かと思います。教員は,本質ではない服装指導で時間をとられることもあります。しかしながら,人権問題の観点から制服の強制は問題となることもあり,都市部では,制服ではなく,標準服として定めている所もあります。所属意識や連帯感をたかめるためには,集会や式典,行事など集団で行動しなければならない場合でも十分醸成されるのではないでしょうか?

質問します。制服着用は強制でしょうか?

【答弁】

制服は,各学校で規定しているルールによって着用することになっている。病気やケガ等のやむを得ない理由がある場合には,体育用のジャージ着用を許可する等,各学校において柔軟な対応をとっている。

【提言】

個別に対応しているようですが,インフルエンザなどの飛沫感染するものは,付けているマスクの表をさわることで感染したり,同じタオルを使うことで感染するようです。現在,新型コロナが問題となっていますが,衛生面でも,同じ制服を着なければならない状況は,どうかと考えます。また,服装指導において,セクハラなどの問題防止のために,男性教員が女子生徒の服装指導をしにくい現状があります。現在の制服は,合理的理由が薄れているように感じます。

(2)男女共通制服のブレザーやスラックスの導入について

【質問】

他の自治体で男女共通制服の採用が進んでいる理由としていくつかあります。小学校のうちは,自由に選べる私服であり,女子児童においても多くはズボンをはいています。スカートよりスラックスの方が動きやすく,下着が見えてしまうということもありません。冬場は,スカートよりも温かく防寒対策としても機能を果たしています。多くの女子児童がズボンをはく理由であり,この機能性が理由の1つです。また,中学校に進学するとスカートしか選べないため,苦痛に感じる生徒がいます。特に,LGBTの生徒たちで,その生徒たちへの配慮を行うことが2つ目の理由です。3つ目の理由としては経済性があります。本市の事業でも,大切にする心のリレー「ランドセル便」が実施されました。大切にする心を育むことは重要であるとあると考えます。近所づきあいが希薄化し,少子化の中,おさがりということをあまり聞かなくなりましたが,男女共通制服であれば,体格差の少ない中学校の制服は,男女の兄弟姉妹間でも活用でき,リサイクルの幅が広がります。現在,ブレザーを採用している学校が1校あり,来年度から2校女子のスラックスを採用するということですが,LGBTの観点だけで採用するのであれば,これは非常に危険なことだと考えます。スラックス=LGBTと取られてしまう可能性が高くなってしまいます。スラックスがよいと考える生徒は,LGBTの生徒だけでなく,アトピーなど皮膚の弱い生徒であったり,怪我で傷が残った生徒であったり,もちろん機能性を重視する生徒など様々いるのではないでしょうか。理由に関係なくスラックスを希望できる環境が必要だと考えます。

質問します。来年度スラックスを採用しない学校において,スラックスを希望したい場合,どのようにすればよいのでしょうか。

【答弁】

もしスラックスを着用したい生徒がいる場合には,まず学校に相談して欲しい。

【提言】

学校へ申し出れば,理由を問わずに許可がでるのでしょうか。また,その周知はされているのでしょうか。個別に学校が対応するということですが,制服は強制的なイメージがあるため,学校への相談が難しい状況です。加えて,相談して理由を答えなければならないのであれば,さらに難しいのではないでしょうか。自転車に乗る機会があるためということで,認めていただける学校であれば,よいのですが,現状は違います。そのことを考えていただきたいと思います。

(3)市内標準服の導入について

【質問】都市部の自治体によっては,制服ではなく,選択制の標準服を採用しているところもあります。福岡市は令和2年度から市立中学校の新標準服(制服、ブレザータイプ)として全69校のうち9割超の65校が採用するようです。また,北九州市でも平成32年度から,中学校標準服の機能性(動きやすさや防寒・暑さ対策等)の課題や性の多様性に対応できるように、ブレザー型の北九州スタンダードタイプを導入します。これはスカートとスラックスを選択できるようです。

質問します。本市においても市内標準服の導入の検討はないのでしょうか。

【答弁】

他の自治体では,各学校で規定している従来の制服に加え,市内統一型の標準服を採用し,ブレザータイプなどの制服を着てもよいとしている自治体がある。標準服の導入については,まずは各学校で制服の自由選択制について十分に検討してもらう。市教育員会としては,今後も他県の例や県内の他市町村の状況を注視しながら,各学校への情報提供を適切に行っていく。

【提言】

九州の大都市では,市内共通の標準服化が進んでいるようです。本市は,九州で12番目の都市として,移住定住の妨げにならないよう先進的な取組が必要ではないでしょうか。各学校の対応に任せるのではなく,LGBTや生徒の人権問題の観点,制服指導における教職員のパワハラやセクハラ防止の観点,スカートの盗撮など犯罪防止の観点,機能性や経済性の観点,衛生的な観点などから,市教育委員会主導で,様々な観点から市内共通の標準服を進めていくことを提言します。

2021年9月議会 ~スラックスの導入状況~

中学校の制服について伺います。複数の同僚議員も制服について議会でたびたび取り上げられている状況で、私も制服については、2018年6月議会で触れ、2020年3月議会で、市教育委員会主導で市内共通の制服(標準服)を進めていくよう提言しました。市内の高校では、制服の変化が進んでおります。9月2日の宮崎日日新聞によると、日南市では、市内9中学校の制服を2023年度の新入生から統一する方向で検討していると掲載されておりました。制服統一の柱としては3つあり、「現行の制服より価格を下げ、保護者の負担を減らす」「動きやすさや耐久性など機能性を重視し家庭で洗濯ができる」「多様性に配慮し、性別によって制服を強制されず、選べるようにする」です。本市も進むよう期待しているところで、中学校のスラックス導入も進展していると伺っております。しかしながら、多くの市民はその制服の変化を気づいておられない方も多いようです。そこで、市民に広く理解していただくことも必要であり、メディア等に取り上げてもらうことも必要かと思います。

質問します。本市のスラックス導入状況はどうなっているのでしょうか。また、周知について市はどのように考えているのでしょうか。

【答弁】

令和4年度から全ての中学校で制服選択制が導入される。周知は、まず保護者の理解を得るため、学校からの文書や参観日等での説明を予定。学校ホームページ等でも紹介する。

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