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執筆者の写真いっとく

建築政策

2022年12月議会

(1)住宅・建築物安全ストック形成事業について

(2)不良空き家の状況と不良空き家解体事業補助金について

(3)公民館による空き家管理支援について

(4)市営住宅の利活用について


【背景】

地域の声として、隣地の空家や空地の相談を受けることが多々あります。また、公民館としても空家への対応に苦慮されている状況があります。これらは、人口減少社会における課題の1つです。空家や空地の増加により、地域の価値が下がることで、コミュニティの維持ができなければ、共助の中心となる公民館も将来、崩壊してしまう危険性にもつながると考えられます。


(1)住宅・建築物安全ストック形成事業について

【質問①】

台風14号により住宅の瓦が脱落するなどの被害が10月15日時点で、1224件であるとの情報を瓦業組合より聞いております。また、県内の合計は約3000件であると聞いており、県内の中でも都城はかなり多い被害です。瓦業組合に入っていない業者への依頼もあることを考えると、都城だけでも3000件近い被害があると瓦業組合の方は推察されておりました。国土交通省は、令和元年房総半島台風を踏まえ建築物の強風対策の方向性を示しています。今回の台風14号のような強風による被害を防ぐためには、瓦を屋根に固定するなどの対策が重要だと考えます。

質問します。市における瓦屋根の安全対策について、見解はいかがですか。

【答弁】

瓦を屋根に固定するなどの対策につきましては、建築基準法の告示に強風等に対する瓦屋根の固定などの基準が規定されていることから、まずは、法令遵守のもと建築主等皆様の責務において、安全対策を講じていただくことが肝要であり、この主旨を十分ご理解いただきたいと考えております。


【質問②】

都城市では、住宅リフォーム促進事業を展開しています。令和3年度の補助実績は1204件で、補助金額約9718万円、総工事費14億3904万円、経済波及効果は20億を超える分析となっています。屋根の改修もこちらの事業を活用することができますが、安全性が考慮されていないこともあります。国土交通省では、ガイドライン工法を踏まえ、令和4年1月1日から瓦の緊結方法が強化されました。瓦屋根の強風対策を強化するための補助金である住宅・建築物安全ストック形成事業を活用すれば、防災効果も上げつつ、国の補助も行われるため経済効果も同様に得られるのではないかと考えます。

質問します。住宅・建築物安全ストック形成事業の補助金の活用について、

採用する考えはないのでしょうか。

【答弁】

本市における瓦を固定するための補助制度の創設につきましては、南海トラフ地震など大規模災害が懸念される中で、建築物の耐震化に重点をおいた取組を進めており、現在のところ予定しておりません。


【意見】

まずは、耐震化に重点を置いた取組を進めているとのことですが、住宅・建築物安全ストック形成事業で行われるガイドライン工法では、屋根瓦を緊結するため、強風対策だけでなく地震による被害も防ぐことができるようです。本市の方向性とも相反するものではないと考えます。昔の家に瓦屋根が多いのですが、それが空き家になれば、周辺の安全を脅かすことになります。



(2)不良空き家の状況と不良空き家解体事業補助金について

【質問①】

都城の空家状況ですが、平成27年度全戸調査によると、空き家等候補件数が市内全域で3007件であり、そのうち平成27年度自治公民館アンケート調査の結果では、特定空家等候補件数が983件あるとの結果を得ています。平成30年の実態調査の結果では、市内1、985件空家等の実態を把握し、特定空き家候補49件を選定、この内、特に保安上危険、切迫性の高いもの8件について特定空家等に認定しています。増え続ける空き家への対策も行う建築対策課が令和2年度に設立されました。特定空き家とは、国土交通省が示している基本指針である「倒壊などの著しく保安上危険となる恐れがある状態」「著しく衛生上有害となる恐れがある状態」「著しく景観を損なっている状態」「放置することが不適切である状態」の4項目のいずれかに該当する空き家のことです。また、空き家から特定空き家になるまでの間には、不良空き家と呼ばれるようなものもあります。不良空き家とは、老朽化等により居住に著しく不適当な住宅のことです。

質問します。本市の不良空き家の状況は、今後どのようになっていくと考えているのか。また、その対策を検討しているのか。


【答弁】

本市の不良空き家の状況につきましては、人口減少等に加え、相続問題などが原因で管理者が決まらないことなどにより、今後も増加していくものと考えております。

また、その対策としましては、空き家の発生抑制のために専門家による個別相談会等を開催するとともに、啓発パンフレットの配布を行っております。



【質問②】

令和3年より、居住誘導区域の不良空き家を対象に、不良空き家解体補助事業が実施されております。居住誘導区域とは、都城市立地適正化計画に定められており、「人口減少の中にあっても、一定のエリアにおいて人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるよう、居住を誘導すべき」区域となっています。この居住誘導区域は非常に狭い地域となっています。先日、都城市中山間地域等振興計画(案)が出されました。中山間地域等では、少子高齢化や人口減少の急速な進行に伴い、担い手不足等による産業活動の低迷や耕作放棄地の増大、地域コミュニティ機能の低下などが懸念されております。目指す将来像は、「人口減少化にあっても、将来にわたって安全・安心に暮らせる中山間地域」となっています。これには同感するところです。その中には基本目標の1つに人の交流を通じた賑わいのある地域づくりがあり、移住による人の流入などが書かれています。人の流入のためには、地域の魅力を高める空き家解体も必要になってくるかと考えます。

質問します。不良空き家解体補助事業の対象区域を拡大する考えはないのでしょうか。


【答弁】

不良空き家解体事業費補助金の対象区域につきましては、都城市立地適正化計画と連動した、地域ごとの生活拠点区域の活性化と、人口集約の促進を目的として設定したものでございます。

したがいまして、補助金の対象につきましては、今後も居住誘導区域に重点を置いた取組を進めてまいりたいと考えております。



(3)公民館による空き家管理支援について

 【質問①】

不良空き家は、増加していくなか、不良空き家解体補助事業の対象区域は、限られた区域となっており、解体される住宅数よりも不良空き家になっていく住宅数の方が多いようにも感じます。地域のつながりが強い地域では、公民館で対応されているところもあるようです。しかしながら、相続人や管理者が近くにいない空き家が多く、対応に苦慮されている近隣住民や公民館があります。そのため公民館等で敷地内の一部の草刈などを行っているところもあるようです。

質問します。公民館等へ草刈等の空家の管理に対して補助などの考えはないのでしょうか。


【答弁】

 公民館への補助につきましては、空き家は、本来その所有者や管理者によって維持管理すべきものでありますので、行政によって補助などを行うことは適切ではないと考えております。




【意見】

住宅は財産の1つであるため、空家は本来、所有者や管理者の責務ということは承知しております。しかしながら所有者が遠くにおられたり、不明であったりの場合もあります。空き家や空地で樹木や雑草が生い茂り、周辺環境に影響を与えている状況においても、現状としては、所有者への連絡のみとなっています。所有者への責務を果たさせるためには、管理方法も明確に指導し、公民館という共助に対して、行政の手を貸してあげても良いのではないかと考えます。

(4)市営住宅の利活用について

【質問①】

空家だけでなく、市営住宅の空き状況も多くなっています。特に中山間地域の市営住宅です。子育て世帯が増加すれば、その地域の活力にもつながります。人口が減少している地域の市営住宅の活用として、子育て世帯を対象に収入条件の緩和を行うことが考えられます。控除後の月収額21万4千円以下を対象としている自治体も多く都城もこの基準です。これは、例えば4人世帯の場合、年間総収入が約531万円以下となります。

質問します。子育て世代を対象に収入条件をさらに緩和し、貸し出す考えはないのでしょうか。


【答弁】

人口が減少している地域の市営住宅を収入条件なく子育て世帯を対象に貸し出すことにつきましては、公営住宅法において収入条件を設けることが定められていることから、子育て世帯につきましても、収入条件を緩和して貸し出すことは考えておりません。


【意見】

福岡市や長崎市では、基準を月収額25万9千円、4人世帯で年収599万円としているようです。条例を定めることによってさらに基準を緩和することもできるようです。




【質問②】 

長崎市などでは、市営住宅をリノベーションし、子育て世帯が住みやすいようにしています。この長崎市のプロジェクトは、市営住宅の政策空き家を活用するというアイデア、学生たちに実験的に住んでもらうというアイデア、地場企業が集まって地域課題の解決に取り組むというアイデア、これらの発想があり地域課題を資源と捉えているようです。例えば、市営住宅の空き部屋のリフォームを長崎総合科学大学の学生が行い、実際に学生が住んでいるようです。都城には、高専という貴重な資源もあります。

質問します。本市においても、地方の市営住宅のリノベーションを行い、付加価値を付けて、活用を行う考えはないのか。


【答弁】

市営住宅に付加価値を付けて、活用を行う考えはないのかということにつきましては、本市では老朽化した住宅の室内の段差解消やトイレの改修、給湯設備の取り替えといった住戸改善、いわゆるリノベーションを実施しており、今後も計画的に進めてまいります。



【提言】

中山間地域には、アパート等も少ないため、民間との競合も起こりにくいかと思います。不良空き家解体補助に地域を限定しているように、市営住宅についても地域によって、条件を変えるなど工夫や民間や学生の違った視点を取り入れたりすることを提言します。

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