2022年6月議会
(1)ゴミ袋について
(2)コンポストの活用について
(3)プラごみの扱いについて
【背景】
SDGsという言葉が浸透し、多くの市民も身近な環境問題に関心を持つようになってきています。その1つがゴミの減量化です。ごみの減量化が必要な理由として、1つ目、地球環境を守るためです。家庭から出たごみは、集積所からごみ収集車によりごみ処理施設に運搬され、もえるごみは燃やされたり溶かされたりします。ごみが減れば、これらの運搬・処理に伴い発生する地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量を抑制することができます。2つ目は、今ある最終処分場の埋立地を長期間使うためです。もえないごみは破砕処理施設で細かく砕かれ、再生利用できるものはリサイクルされ、再生利用できないものはもえるごみを焼却した後に残る灰の一部とともに最終処分場に埋め立てられます。新たな最終処分場の建設には土地の開発等が伴い、環境に負荷がかかります。また、新たな施設をつくる場合には、周辺の生活環境にも影響を与えることから、地域の皆様のご理解が必要です。今ある埋立地をより長く使うためには、ごみを減らす必要があります。3つ目は、将来世代の負担軽減のためです。ごみを減らすことで、将来建設するごみ処理施設の規模を縮小したり、現在の最終処分場を長く使うことができ、将来世代の負担を軽減したりすることができます。
(1) ゴミ袋について
【質問①】
政策の取組みとデザインについて、自治体によっては政策とリンクして袋のデザインがされています。例えば、長野県須坂市は、「生ごみ出しません宣言」と書かれたゴミ袋で、生ごみ以外しか出せない袋を無料で提供しています。福岡県柳川市は、「燃やすしかないごみ」と書かれた袋で、ごみの分別を呼び掛けています。市民の声として、ただごみ袋として、使うのは少しもったいない。買い物袋やおみやげ袋に使えるようなデザインならよいのにという声がありました。また、中高生は雨の日にバッグに袋をかぶせたりしますが、いかにもごみ袋というデザインが嫌だということで、そのためのビニール袋を別途買うこともあるようです。
質問します。新たに本市のごみ袋のデザインを政策とリンクして検討する考えはないのでしょうか。
【答弁】
現在の指定ごみ袋のデザインは、燃やせるごみと燃やせないごみを分別する際のごみの種類と、ごみを出す際の注意事項などを記載しております。ごみ袋のデザインについては、ごみの分別やごみ出しに関する情報等の掲載は必要と考えており、ごみ減量政策とリンクできないか検討しているところです。
【質問②】
都城市のごみ袋は、他の自治体と比較してもかなり安い方ではありますが、ごみ袋の材質について、やぶれやすいという声があります。
質問します。材質の改善を検討しないのでしょうか。
【答弁】
指定ごみ袋の破損については、その原因の多くは、袋の容量を超えたごみの詰め込みと、菓子箱の角などが当たることによるものだと考えております。ごみ袋を破れにくくするためには、素材の変更や袋を厚くする必要があり、それには指定ごみ袋の価格に影響が出る可能性があると考えられます。現時点では、改善の予定がないため、無理な詰め込みをしないなど市民の皆様に周知啓発してまいります。
【質問③】
本市では、ごみ袋が破れやすいため、枝木などを出すときに袋には入れず、袋を結び付けて出してもよいことになっております。環境監視員の方から、袋として使われていないきれいなごみ袋を使うことが無駄ではないかという声があります。
質問します。市の考えはいかがでしょうか。
【答弁】
都城市廃棄物の処理及び清掃に関する条例第8条第3項に、一般廃棄物をごみステーションに排出する場合には、指定袋を使用するよう規定しております。
また、ごみを出される方の負担を平等にするためにも、指定ごみ袋に入らない場合は、指定ごみ袋を巻きつけて出していただくようにお願いしているところでございます。
【質問④】
都城市のごみ袋の大きさは、大45リットル、中30リットル、小15リットルがあります。このごみ袋小について、サイズは縦36㎝、横28㎝,幅12㎝で計算すると12096立方センチメートルつまり約12リットルです。実際に水をいれてみましたが、15リットルはとてもじゃないですが入りません。
質問します。ごみ袋小は記載容量と実際の大きさがあっていないのではないでしょうか。
【答弁】
指定ごみ袋は、大・中・小の3種類があり、それぞれ45リットル、30リットル、15リットルと併記しております。
この容量については、市民の皆様が、ごみ袋を購入する際やごみを入れる際に、大・中・小だけの表示では、選択が難しいのではとの思いから、あくまで目安として記載しております。
【提言】
ちなみに宮崎の特小サイズのごみ袋は10リットルとなっていますが、その大きさよりも小さいものとなっています。目安の記載変更をする必要があるかと思います。
市指定のごみ袋は、初めから捨てられるために作られている袋ですが、袋としても使われない現状や、容量の誤表記の現状があります。また、レジ袋の有料化が2020年7月1日から全国で始まりました。 これを機に、ごみ袋を見直しても良いのではないでしょうか。ごみ減量政策を検討中とのことですので、ごみが少しでも減少するよう、例えば、「都城」のロゴを表記した都城限定袋として、買い物袋やおみやげ袋など、様々な場面で袋として活用でき、役目が終われば、ごみ袋としても使える、そのような袋にすることもできるかと考えます。また、一人当たりの生活ごみの排出量の目標を決め、その分は無料配布を行い、超える分には、収集運搬料や焼却費用を含めた袋を購入していただき、差をつけることで、ごみの減量化の動機付けになるかと考えます。以上のことからごみ袋を活用した政策検討を提言します。
(2)生ごみ処理機やコンポストの活用について
【質問①】
宮崎県新富町、南九州大学、パナソニックは、包括連携協定を締結し、地域社会における課題解決の促進、持続的な地域社会の発展を目的として、新富町の食品ロス削減、生ごみ減量化に向け、産学官共同で取り組んでおり、生ごみ処理機を使った堆肥活用による食農循環プラットフォーム構築の実証実験を行っています。コンポストの助成要望の話などが市民から聞こえてきますが、生ごみ処理機やコンポストを活用して、ごみの減量化を確実につなげる政策が必要かと考えます。本市には、南九大もあり、新富町のような取組も可能であると考えます。
質問します。市はどのように考えているのでしょうか。
【答弁】
生ごみ処理機及びコンポストを各家庭等で活用されることは、ごみ減量化の一助として、大切なことであると認識しております。
そのため、本市は、過去に生ごみ処理機及びコンポストに対し、購入補助を実施しましたが、夜中の騒音や臭いによる近隣トラブル、不適正な使用により害虫が発生したことによるトラブル等があったことから、購入補助を廃止しました。
現在、新富町が取り組んでいる、住民、町、大学及び民間企業が協力し、生ごみ処理機を活用した実証実験については、本市も注視しているところです。
本市におきましては、現在、第2次都城市環境基本計画を策定中ですので、新富町の取組状況につきましても情報収集を行い、今後の参考にさせていただきたいと考えております。
【提言】
先日、同僚議員から有機農業に関して質問もありましたが、農政部とも連携し、市として堆肥への活用も可能であると考えます。
(3)プラごみの扱いについて
【質問①】
2022年1日から「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」、略して「プラ新法」が施行されました。市町村は、家庭から排出されるプラスチック使用製品廃棄物の分別収集、再商品化その他の国の施策に準じてプラスチックに係る資源循環の促進等に必要な措置を講じるように努めることとなりました。日本のプラごみリサイクル率は84%という話もありますが、本市では、プラごみを分別していない現状があります。
質問します。プラごみについて、本市はどのように考えているのでしょうか。
【答弁】
本年4月1日に施行されたプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律では、プラスチックをごみではなく資源として循環させることが目的としており、本市におきましても、法律の目的や必要性を十分認識しております。
現在、本市におきましては、プラスチックごみとして、菓子袋などの容器包装及び、文具、ハンガーなどの製品を燃やせるごみとして区分し、クリーンセンターで、焼却しております。
なお、現時点では、地方自治体に対し、市民に関する分別方法など具体的な方針などが示されていないため、国や県の動向を注視し、情報収集に努めているところでございます。
【提言】
ごみを出す側からすると、生ごみもプラごみも一緒に燃えるごみとして、出すことができる都城は楽でありがたいという声もありますが、グローバルな視点で環境問題を考えたときに、市民の意識を変える必要があります。ごみ問題と本気で向き合うときはいずれ来ることと考えます。その際は、公民館等への理解を求める説明会や市民への周知の徹底を提言します。
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