2022年3月議会
(1)工業団地整備事業について
(2)都城インター周辺のビジョンについて
【背景】
本市は、宮崎市と鹿児島市の間に位置し、陸・海・空からのアクセスに優れた南九州の「物流拠点都市」です。「地の利」を高めるために、本市は、地域高規格道路の都城志布志道路の早期整備に力を入れております。この整備により、経済活動の活性化だけでなく、雇用の創出や利便性の向上、地場産業や観光の振興などが見込まれています。また、救急医療体制の充実に加え、南海トラフ巨大地震の発生時に、被災した沿岸地域を「後方支援都市」として支援するための体制を強化することになります。都城志布志道路は、3月12日に乙房インターが開通し、さらに令和6年度までに宮崎県側が都城インターまで開通の予定であり、「地の利」が拡大することになります。
(1)工業団地整備事業について
【質問】
桜木地区工業団地の整備により、企業立地のさらなる推進が見込まれます。工業団地事業を実施する上で、地権者や農地利用者、地域住民に対して、丁寧な説明などを行っておられ、その中で、様々な課題の検討があったのではないかと考えます。
質問します。工業団地事業において、どのような課題があったのでしょうか。
【答弁】
都城インター工業団地桜木地区の整備事業につきましては、あらかじめ地権者、相続者、耕作者から同意を得る必要があり、その過程において、土地の相続や保障に関する点、通学路・生活道路への影響に関する点など、様々な相談がございました。これらの相談に対して、一つ一つ丁寧に対応し、最終的には全ての方々に同意をいただき、事業化に至っております。また、工業団地完成後の課題としましては、立地予定の企業が地域に根ざした企業として、地域とともに成長・発展いただくことではないかと考えております。そのため、今回の工業団地が元々は地元の農家の大切な農地であったことや、地元の理解なしには工業団地の整備はできなかったことなどをお伝えし、各企業の地域との積極的な交流をはじめ、地元商工会への加入をお願いしております。
【質問】
大井手地区や穂満坊地区の工業団地の整備により、両工業団地に進出した企業は8社ありその内5社が県外であり、650名を超える雇用の場を創出しております。桜木地区工業団地については、現在、全12区画の優先交渉者が決定したとありました。運送業5社、卸売業4社、製造業2社、倉庫業1社となっております。
質問します。どのような経緯で12区画の優先交渉者が決定したのでしょうか。また、市外からの企業はどのくらいでしょうか。
【答弁】
桜木地区については、多くの企業から応募をいただきましたので、各社から提供いただいた事業計画案等に基づき優先順位を付けた上で、それぞれの希望面積を勘案し区画を分割するなど調整を行った後、最終的に12社を終戦交渉者として決定したところです。そのうち、市外からの企業は4社となっております。
【質問】
昨年の部長の答弁で、「本市としては,地域産業の振興と新たな雇用の創出を図るため,県外の大手企業はもちろんのこと,本市の産業振興に寄与するより良い企業の進出を促進しております。今後も,企業の投資計画について,新聞を含む様々な媒体や関係機関などから情報収集を行うとともに,ホームページ等を利用した情報発信を行い,積極的な営業活動に努めてまいります。」とありました。
質問します。その取組状況はどうだったのでしょうか。
【答弁】
公募期間中の取組状況につきましては、市ホームページでのPRは行っておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、市内外の企業に対する直接の働きかけは、自粛せざるを得ない状況となりました。そこで、代替措置として、県や三股町と構成する協議会で都市展示会に出展し、職員が参加できない部分は県東京事務所等の協力をいただき、桜木地区工業団地のPR活動を実施いたしました。また、ターゲットとなる企業が購読する全国紙に広告を掲載するなど、行動制限がある中、可能な限りの広報活動に努め、応募の働きかけを行ったところです。
【提言】
コロナの影響がある中、誘致活動を尽力されたと理解しました。しかしながら、市外は4社とのことです。魅力ある県外・九州外の企業を誘致することで、人口流出を減少させることにもつながります。都城の活性化のために、地域に根ざした企業立地とともに、積極的な県外企業の誘致を行うよう提言します。
(2)都城インター周辺のビジョンについて
【質問】
桜木地区工業団地や都城志布志道路が完成することで、都城インター周辺も変わっていきます。JA都城の本所移転、道の駅「都城」の整備も進んでおります。この辺りは、「南九州の拠点都市=リーディングシティ都城」の顔になるではないでしょうか。市長の思い描く「南九州の拠点都市=リーディングシティ都城」の更なる発展のためにも、この周辺の計画的な整備が必要になると考えられます。山之口運動公園は、後方支援拠点としての機能を持っており、市郡医師会病院を結ぶ市道は重要な位置づけを担う道路です。国道10号線と221号線という2つの国道と交差しており、2つの国道の間には北消防署もあり、救急車両の往来にも重要な道路であり、安全面に対する市民の声があります。
質問します。山之口運動公園から医師会病院までの道路整備に関して、市としてはどのように考えているのでしょうか。
【答弁】
大規模災害時の後方支援拠点施設となっている山之口運動公園と、市郡医師会病院を結ぶ市道は、高木広瀬線や高木原459号線及び町区松崎線など、10路線の市道を結んだものであり、途中の区間には、三股町の一部も含まれております。これらの市道の整備状況につきましては、高木原459号線と交差する神之山高木線の交差点改良工事や町区三股線の道路改良工事などを実施しております。また、来年度につきましては、市郡医師会病院近くにございます、高木広瀬線の交差点改良工事を予定しており、危険な交差点の改良や狭い道路の拡幅などについて、必要に応じて進めているところでございます。防災拠点施設を結ぶ道路の今後の整備につきましては、都城志布志道路の開通後の交通量の変化などを注視し、現在整備している、他の事業の進捗状況や本市全体の要望ヶ所を含め、緊急性や整備効果などを総合的に判断してまいりたいと考えています。
【提言】
この道路は、小学生や中高生の通学路と交差しております。昨年、千葉県でトラックが突っ込み、児童5人が死傷した事故もあり保護者の不安は大きくなっております。救急車両の通行に影響がでないよう、最低でも国道10号線から221号線までの間の道路の安全確保をしていただくよう提言します。
【質問】
都城インターから道の駅「都城」までの10号線沿いには、農地もあり、田園風景と霧島の景観を見ると都城だなぁと感じる方は多いのではないでしょうか。地の利を拡大していくことは大切でありますが、視点として、農業・商業・工業の調和のとれた沿線のビジョンをしっかりもつ必要があると考えます。民間による無作為な開発行為は、のちに地域とのトラブルにつながった事例があります。もちろん優良な農地を守ることも必要であるとの声は多くあるところです。しかし、10号線沿いは、あさぎりの里があり、道の駅「都城」が完成することを考えれば、その間は、商業施設にしてはという声もあります。また、市民広場付近に沖水地区体育を整備してはとの声もあります。
質問します。沿線のビジョンを市はどのように考えているのでしょうか。
【答弁】
都城インターチェンジから道の駅「都城」までの国道10号沿いの広大な農地につきましては、本市の基幹産業である農林畜産業を支える貴重な資源であり、長年にわたって、そのための基盤整備も行われてきたエリアでもあります。しかしながら、そうした土地利用計画が立案された当時には想定されていなかった都城志布志道路の全線開通が間近に迫り、都城インターチェンジ周辺の「地の利」を活かした施策の展開の必要性を感じているところであります。特に、都城インターチェンジから道の駅「都城」までの国道10号沿いは、交通の要衝として、企業立地や物産振興などの分野での活用意欲がこれまで以上に高まってくるものと考えられます。南九州のリーディングシティとして本市が更なる発展をしていくためにも、都市計画や農業振興の観点に留意しつつ、より効果的で調和のとれた土地利用の在り方を模索していく必要があると考えております。
【提言】
必要性を認識されているとのことですので、今後の方向性に期待しております。
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