2022年9月議会
【背景】
消防・救急体制については、地域で安心して暮らしていくためには、重要な部分であると考えます。本市の現状としましては、救急に対する需要は年々増加傾向にありましたが、令和元年度及び令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により減少に転じているようです。その要因としては、緊急事態宣言時の外出自粛に伴い、交通事故や怪我が減少したこと、また、手洗い、マスク着用等の感染症対策が徹底されたことが考えられています。しかし、救急車の現場到着時間は、全国及び宮崎県の平均を上回っており、救命率の低下につながらないよう対策を講じていく必要があります。また、新型コロナウイルス感染症の第6波や第7波の影響をうけ、救命体制に不安を持っている市民もおられるようです。
【質問①】
救急・救命技術の向上について、救急救命士や認定救急救命士の養成を本市は努めておられます。平成30年の救急隊員数については,全消防職員187名中,南消防署19名,北消防署18名,鷹尾分署9名,高崎分署9名の合計55名を配置しています。救急隊員数は,都城市郡医師会病院移転に伴い,北消防署管轄内の救急出動件数の増加を見込んで,平成27年4月から北消防署救急隊員数3名が増員されており、現在は救急救命士の資格の新規取得を毎年2名ずつ行っているようです。
質問します。現在の資格を持った人数はどのようになっているのでしょうか。また、資格を持ちながら、救急隊以外の任務についている職員は、どのような理由で配置され、何人いるのでしょうか。
【答弁】
救急救命士の資格を有する職員は68名で、そのうち37名が救急隊員として従事しております。また、指令課に6名、警防隊、救助隊に9名、その他、管理職や消防本部等が16名となっております。救急隊以外の任務につきましては、119番通報時の口頭指導や救助活動など、救急救命士としての経験が求められる指令課や救助隊等に適正に配置しております。
【質問②】
今年の2月に知人が救急搬送されましたが、受け入れ先がなく、宮崎市内まで搬送されたようですが、結果亡くなられたということがありました。もし、コロナ禍の時代でなければ助かったのか、それとも、都城における地域医療体制のためもともと厳しい状況であったのか、気になるところです。
質問します。救急現場から市外への搬送状況はどのようになっているのでしょうか。
【答弁】
救急搬送時の病院選定については、傷病者のかかり付け医または、病状から判断して、管轄内の医療機関へ受け入れ依頼を行っておりますが、医療機関の受け入れ態勢などを理由に断られる場合があるため、管轄外の対応可能な医療機関に搬送する場合がございます。なお、過去5年間の管轄外の医療機関への搬送実績については、平成29年が108件、平成30年が138件、令和元年度が127件、令和2年が127件、令和3年度が155件となっております。
【質問③】
本市の地域医療体制については維持する方向性、救急体制については、充実に努める方向性となっております。市外への搬送状況は、昨年度は増加しており、それによる職員の勤務体制や救急体制への影響が心配されております。また、コロナ禍において、本市においても多くの感染者がでましたが、消防職員も同様に感染された状況があり、2重で救急体制が心配されておりました。
質問します。都城市消防局の現在の救急体制はどのような状況になっているのでしょうか。
【答弁】
現在の救急体制につきましては、職員の新型コロナウイルス感染症の感染により、一時、消防署に勤務する人員不足が発生しましたが、本部業務を一部縮小し、補充要因を確保するなど消防局全体で調整を行い、体制を維持しました。また、救急件数や活動時間は、昨年と比較し増加や延伸しており、今後、救急活動への影響も懸念されます。このため、日勤職員による転院搬送隊を増隊し、救急車重複時間の解消や救急隊の負担軽減を図っております。
【質問④】
今回、コロナ禍にも関わらず、救急体制が維持できたことは、救急救命士の増員の取組により、乗り越えることができたかとも受け取れました。しかし、一自治体では、限界もあります。総務省は、消防・救急体制の充実強化の1つとして、消防の広域化を挙げており、消防指令センターを運用しているところが多くなってきております。消防指令センターは119番通報の受付を行い、消防車や救急車の無線管制等の通信指令業務の運用を共同で行っていきます。効果としては災害発生時における初動体制の強化や本部機能統合等の効率化による現場活動要員の増強があるようです。例えば、いばらき消防指令センターは、県域1ブロックで平成28年より運用されており、効果として、整備費130億円、維持管理費で8.4億円の削減効果や、構成消防本部の車両動態を管理することで応援体制の迅速化を実現し、消防力の強化に繋がったようです。しかし、課題として、管轄が広域なため遠方の消防本部からは通勤の負担が大きいことや消防本部それぞれの事情を抱えるため運用の見直し等が全会一致になりにくいことがあるようです。本県でも検討され、今月判断されることになっていたかと思います。令和4年度宮崎県・市町村連携推進会議総会において、池田市長は、「今後、人口減少・高齢化等の影響による、行財政の課題解決には、地域全体で協力し対応する広域連携の観点が大変重要であり、県と市町村との連携が必要である。 広域連携の一つである消防指令業務の共同運用については、各消防長等で組織される宮崎県域消防指令業務共同運用検討委員会で、これまで検討が行われ、その中で、消防力強化のためには共同運用に取り組むことが必要だとの結論に至り、消防力の向上のため、共同運用に取り組むことは重要である。 なお、この共同運用に伴う整備費に対して活用が可能な緊急防災・減災事業債については、令和7年度までに工事を完了させることが要件であるため、速やかに具体的な方向性を決定する必要がある。私も努力していきたい。」と言われております。
質問します。消防指令センターの共同運用化について、本市はどのように考えているのでしょうか。また、予測される市民への影響があるのでしょうか。
【答弁】
消防指令業務の共同運用は、現在県内の各消防本部で行っている119番通用の受信や出動指令などの業務を一元化し、共同で指令センターを設置し運用するものです。本県では、全消防本部の参加に向けて、平成31年4月に宮崎県域消防指令業務共同運用検討委員会を設置し、これまでに12回の協議を行っております。本市においては、主に大規模災害時の通信体制、各消防本部で異なる出動基準などの市民サービスへの影響や費用資産について、多面的に精査を行っております。また、既に共同運用を実施している他県の状況を参考にしながら検討しているところでございます。
【提言】
ある程度方向性が決まっているものと考えておりましたが、検討中とのことです。消防指令センター運用の有無に関わらず、市民にはそれぞれのメリットデメリットを提示するよう提言します。また、人口減少問題への取組として、広域連合の考え方は非常に重要なものとなってくると考えます。先日、同僚議員から、地域医療に関して、医師会病院の負担金の質問がありましたが、県内全域で負担金についても考慮するよい機会でもあると考えます。
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