2019年8月
視察先・テーマ
令和元年8月7日(水) 新潟県新潟市役所(アグリパーク)
新潟ニューフードバレーについて
令和元年8月8日(木) 富山県富山市役所
コンパクトシティ(居住対策・誘導)について
令和元年8月9日(金) 岐阜県各務原市役所
DIY型空き家リノベーション事業について
視察内容
(1)新潟ニューフードバレーについて(7日,新潟県新潟市)
新潟フードバレープロジェクト
①ビジョン:食産業No1都市を目指し,フードデザインをひろめ,新たなネットワーク(連携)を創り,イノベーションを興し続ける。
②6つの戦略で取組みを推進
・食産業の集積と創業
・高度な技術研究と人材
・食品リサイクル
・ブランド力情報発信
・フードデザイン
・農商工連携と6次産業化
③農業活性化研究センター
生産・加工・販売を一連で支援する6次産業化,農商工連携の拠点
④アグリパーク(食品加工支援センター)
食品加工技術や新商品のテストマーケティングなどの支援を行う施設
宿泊型の農業体験施設,農業体験の拠点
⑤国家戦略特区
目標:地域の高品質な農産物及び高い生産力を活かし革新的な農業を実践するとともに,食品関連産業も含めた産学官の連携を通じ,農業の生産性向上及び農産物・食品の高付加価値化を実現し,農業の国際競争力強化のための拠点を形成する。あわせて,農業分野の創業,雇用拡大を支援する。
政策課題
・農地の集積・集約,企業参入の拡大等による経営基盤の強化
・6次産業化及び付加価値の高い食品開発
・新たな技術を活用した革新的農業の展開
・農産物及び食品の輸出促進
・農業ベンチャーの創業支援
規制緩和
・農業生産法人に係る農地法等の特例
・農業委員会と市の事務分担に係る特例
・農家レストラン設置に係る特例
・農業への信用保証制度の適用
・雇用労働相談センターの設置
(2)コンパクトシティ政策における居住誘導等について(8日,富山県富山市)
①都市の特性(課題)
・人口減少と超高齢化
・低密度な市街地と過度な自動車依存
・公共交通の衰退と移動困難者の増加
②まちづくりの基本方針
公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを実現
・公共交通の活性化
・公共交通沿線地区への居住推進
・中心市街地の活性化
③コンパクトなまちづくりの進め方
・規制強化ではなく,誘導的手法が基本
・市民がまちなか居住か郊外居住かを選択できるようにする
・公共交通の活性化によるコンパクトなまちづくりを推進
・地域拠点の整備により全市的にコンパクトなまちづくりを推進
④空き家対策の取組み
・空き家に関する実態把握
・空き家化の予防
・空き家の適正な維持管理の促進
・空き家の利活用の促進
・問題のある空き家への対応
・空き家に関する相談体制の整備
(3)DIY型契約による空き家リノベーション事業について(9日,岐阜県各務原市)
①空き家の現状について
・特定空き家に対する対策
各務原市特定空家等審議会の設置
・空き家の流通促進
移住定住総合窓口(イオン各務原に窓口開設)
空き家リノベーション事業
・空き家の適正管理
空き家見守りサービス
空き家自治会連携
出前講座
②空き家リノベーション事業の概要
・産官学金と連携・協力し,積極的に事業展開を図る
③今後の事業の展開や課題について
・空き家の掘り起こし
・DIYにそぐわない方の申込
・DIYをする必要のない物件の流通方法,移住定住プロジェクトとの連携
山内いっとく
視察の感想及び市政への反映
(1)新潟ニューフードバレーについて(7日,新潟県新潟市)
新潟フードバレープロジェクトは,食産業No1都市を目指し,フードデザインをひろめ,新たなネットワーク(連携)を創り,イノベーションを興し続けるというビジョンの元,6つの戦略,①産業の集積と創業,②高度な技術研究と人材,③食品リサイクル,④ブランド力情報発信,⑤フードデザイン,⑥農商工連携と6次産業化の取組みを推進している。農産業を基幹産業とする都城とは似ているところがあり,農業活性化研究センター(生産・加工・販売を一連で支援する6次産業化,農商工連携の拠点)やアグリパークと呼ばれている食品加工支援センター(食品加工技術や新商品のテストマーケティングなどの支援を行う施設,宿泊型の農業体験施設,農業体験の拠点)については,今後都城が道の駅をリニューアルし,物産振興拠点施設にするということで参考にできる部分が多々あるのではないかと考える。また,新潟市は国家戦略特区になっており,様々な規制緩和の恩恵でフードバレープロジェクトが進められている部分があり,その部分については,本市に反映することが現時点ではできないのは残念である。しかし,新潟の結果を踏まえ,全国的に規制緩和になったものもあるため,いずれ新潟と同じように規制緩和になる可能性もある。今後の都城の農産業の発展に活かしていきたい。
(2)コンパクトシティ政策における居住誘導等について(8日,富山県富山市)
富山市でも本市と同様に,都市の特性(課題),まちづくりの基本方針を立て,コンパクトシティを進めている。コンパクトなまちづくりの進め方として,規制強化ではなく誘導的手法を基本に,市民がまちなか居住か郊外居住かを選択できるようにし,公共交通の活性化によるコンパクトなまちづくりを推進と地域拠点の整備により全市的にコンパクトなまちづくりを推進している。推進するために,人口密度などの数値目標を立て,税収などの数値を活用し,それを市民にコンパクトシティの必要性の説明に利用している。市民もおおむね理解しているとのことであり,数値を活用しての説明は,効果的で参考になるのではと感じた。また,空き家対策の取組みもしており,空き家に関する実態把握,空き家化の予防,空き家の適正な維持管理の促進,空き家の利活用の促進,問題のある空き家への対応,空き家に関する相談体制の整備を行っているようである。本市においては,現在,立法審議会を立上げ,空き家条例の制定に向けて動き始めており,各地の状況を踏まえ,条例制定を進めて行きたい。
(3)DIY型契約による空き家リノベーション事業について(9日,岐阜県各務原市)
各務原市では,空き家の現状についての対策として,3つの場合に分けて,対策を行っている。1つ目が特定空き家に対する対策として,各務原市特定空家等審議会の設置である。2つ目が空き家の流通促進として,移住定住総合窓口(イオン各務原に窓口解説),空き家リノベーション事業を行っている。3つ目が空き家の適正管理として,空き家見守りサービス,空き家自治会連携,出前講座などを行っている。今回はその中でも空き家リノベーション事業の概要について,説明を受け,現地視察を行った。産官学金と連携・協力し,積極的に事業展開を図るということであるが,ゼロ予算で行われている事業で,これは,職員からの発案で始まったようである。本市でも,リノベーションスクールやタウンマネージャーなどで予算をかけているが,検証の必要性を感じた。
Comments