2021年6月議会
(1)在宅医療・介護連携
(2)延命処置と救急搬送
【背景】
厚生労働省が公表している令和元年(2019)年人口動態統計月報年計(概数)によると、老衰が死因の第3位ということで年々上昇しているようです。また、自宅で看取られたいと考える方も増加傾向にあるようです。祖父も自宅で最期を迎えることを希望しておりましたが、それができるのかがなかなかわからない状況にありました。祖父の場合は、急に元気がなくなり、結果的に希望通り自宅で最期を迎えることができました。希望通りの人生の終わり方を迎えるためにも、在宅医療や終末期医療について、本人とともにその家族の方も知っておく必要があると考えます。
(1)在宅医療・介護連携について
【質問】
住み慣れた場所で、地域と共に自分らしく暮らしていくためには、在宅医療と介護の連携が必要になってきます。
質問します。在宅医療と介護の連携としてどのようなことをしているのでしょうか。
【答弁】
都城市・三股町在宅医療・介護連携推進協議会では、在宅医療と介護の連携に関する課題の抽出と対応策の検討や医療と介護の専門職を対象とした研修会、また、看取りに関する市民公開講座を実施しております。さらに、都城市北諸県郡医師会に「在宅医療・介護連携相談支援センター」を設置し、医療機関や介護従事者からの相談に対応し、連携強化を図っております。
【質問】
在宅医療と介護の連携を進めている状況があるようです。しかしながら、かかりつけ医という言葉は市民に周知されておりますが、在宅医療や在宅医という言葉はまだ浸透していないように感じます。かかりつけ医が在宅医として看取りをしてくれるのか、終末期になって考えたりします。どこが在宅医をしてくれるのかわからない状況です。
質問します。本市の在宅医の状況はどのようになっているのでしょうか。
【答弁】
在宅支援診療所及び在宅支援病院として、九州厚生局へ届け出をされている医療機関は都城北諸県医療圏に16か所ございます。なお、届け出をされていない医療機関においても在宅医療を提供されている場合もありますので、まずは、かかりつけ医にご相談していただきたいと考えています。
【質問】 やはり、在宅看取りについて、市民が知らない状況は、改善すべき点だと考えます。
質問します。在宅看取りについて市民への周知の必要性をどのように考えているのでしょうか。
【答弁】
介護や医療を必要とする高齢者が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けるためには、入退院時に切れ目なく在宅医療と介護サービスを提供していくことが必要と考えております。このために、医療機関とケアマネージャーがお互いの情報を共有し連携を図るため、「都城北諸県医療圏における安心入退院ルールブック」を活用して、普及・啓発に努めているところです。また、在宅医療・介護連携推進協議会では、平成29年度から「地域で支える看取り」をテーマに市民の方を対象として市民公開講座を実施しております。
(2)延命処置と救急搬送について
【質問】 在宅看取りを考えた場合、延命処置や救急搬送についても、十分知っておく必要があります。一般的に延命治療と聞くと、意識をなくした状態でつけている呼吸器等をイメージしますが、点滴や胃ろう等も延命治療にあたり、当事者にとってはつらい状態にあるようです。正しい知識がないと、本人や家族にとってはつらくなることがあるようです。
質問します。過去2年間に救急搬送の要請があったが、家族から延命拒否をされた件数、及び延命拒否により救急隊による心肺蘇生を行わないケースとは、どのようなケースとはどのようなケースでしょうか。
【答弁】
三股町を含む消防局管内における救急出動において、救急隊が現場到着時に傷病者は心肺停止状態で、延命処置の拒否が判明した件数は、令和元年が5件、令和2年が10件となっております。そのうち、延命拒否による医療機関への搬送をしなかった件数は、令和元年の2件のみであります。救急隊に心配組成を行わなかったケースとしましては、救急隊の現場到着時に傷病者の心配停止状態が確認された場合で、書面により傷病者及び家族が心肺蘇生を望んでいない意思表示があり、かつ、かかりつけ医等の医師に現場での引継ぎができた場合となっております。
【質問】
救急隊による心肺蘇生を行わなかったケースは、書面により本人及び家族の延命拒否の意思表示を救急隊が確認し、かつ、かかりつけ医師等の医師に現場での引継ぎが行われた場合というのがわかりました。こうした状況を踏まえて、本人の意思を尊重するためには、事前に家族やかかりつけ医等の医師と話し合い、書面による意思表示をしておくことで、救急搬送を要請しないというのも選択肢の一つではないかと考えます。医療の進歩により、最後は病院で亡くなる」というのが、ここ数十年で増加している状況ですが、在宅見取りが見直されている現状において、本人の意思を尊重する体制づくりが必要であると考えます。
質問します。延命治療を望まない方に配慮した体制作りはどのようになっているのでしょうか。
【答弁】
自らが希望する医療やケアを受けるためには、自分自身で前もって考え、周囲の信頼する人たちと話し合い、共有することが重要です。都城市・三股町在宅医療・介護連携推進協議会では延命治療の有無など、家族等と話し合って記入できる都城市・三股町オリジナルのエンディングノート「想いを紡ぎ心を繋ぐノート」を作成し、活用促進に努めているところです。在宅医療・介護連携相談支援センターでは、地域の公民館で「想いを紡ぎ心を繋ぐノート」の出前講座を開催しております。また、救急搬送時の活用についても、消防局と情報共有を図っております。
【提言】
都城市オリジナルのエンディングノートがあるということで、公民館での出前講座での周知をしているということですが、公民館加入率が減少している状況や、若くして亡くなる方もいらっしゃいます。延命処置を望まない方、残される家族のためにも、多くの世代に周知することを提言いたします。
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