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執筆者の写真いっとく

教育問題~小中学校のICT環境~

2021年3月議会

(1)統合型校務支援システムの導入

(2)児童生徒用端末の導入状況


【背景】

昨年の12月議会において,30人学級を段階的かつ計画的に進める観点から,都城の状況を踏まえ,誰一人取り残さないきめ細やかな教育を行うために,「30人学級の推進及び小中学校のICT環境に関する意見書」を全会一致で国へ提出しました。そこで,本市の小中学校のICT環境に関して,質問して行きたいと思います。


(1)統合型校務支援システムの導入について

【質問】

校務支援システムの導入で,名簿管理や出席簿,成績処理などの業務において,円滑な業務処理が可能となり,教職員の子どもと向き合う時間を増加させる目的でこの事業が予算化されております。高校ではすでに県内で統一されたシステムが導入されておりますが,それ以前は,各学校で担当職員がエクセルや桐というアプリで作成し,各学校独自の処理を行っていました。普通教科「情報」の科目化により,各学校には,コンピュータに長けた先生がいたため,システム導入はスムーズにいったように思えます。しかし,小中学校では,ホームページの更新もままならない状況もあり,システム導入がかえって先生方の負担増に繋がることになってはいけないと考えます。

質問します。具体的にどのような業務が負担軽減されるのでしょうか

【答弁】

統合型校務支援システムの導入により,様々な業務の負担軽減が図られますが,主に2つの例について,説明させていただきます。1点目が児童生徒の名簿作成や出席及び健康診断などの情報管理業務です。例えば,児童生徒の氏名をデータとして登録することで,学級名簿や地区別名簿等を一括して自動的に作成することができます。さらに,欠席や遅刻等の情報を記録することで,成績を自動的に集計できるとともに,蓄積した情報を基に,通知表や指導要録を作成することができます。


【質問】

システム導入が負担軽減につながると期待したいと思います。この負担軽減が,近年言われている教職員の働き方改革に繋がることが考えられます。また,教科指導力の向上に繋がる研修や多様性のある社会に対応できるよう様々な研修などが,空いた時間に入ってくることも考えられます。高校では,放課後や土日も指導される先生もおられましたが,義務教育課程の小中学校においては,終礼後,速やかに下校させる学校が多いように感じます。児童生徒が学校にいる時間が変わらないのであれば,生徒と向き合う時間の確保にまで,繋がらないようにも感じます。

質問します。システム導入が生徒と向き合う時間の確保と学力向上にどうつながるのでしょうか

【答弁】

学校では,これま児童生徒の出席状況や成績等の情報は,それぞれ別のデータとして保存していたため,情報の確認や活用には,手間と時間がかかっておりました。統合型校務支援システムは,これらの情報を一元管理することにより,必要なデータを瞬時に確認し,活用できるので,作業時間の短縮に繋がります。作業時間の短縮によって生み出された時間は,教育相談や学習に苦手意識のある児童生徒と向き合う時間の確保と学力の向上に繋げることができます。


【質問】

児童生徒の学習状況等の管理もできるとのことで,システム導入が生徒と向き合う時間の確保と学力向上に繋がることを期待しています。それでは,システムの管理については,どのようになるのでしょうか。高校の教員には,理工学部を卒業された先生も多く,システムの管理には数名担当者がおりました。年度始めは,生徒の名簿更新,学期末には成績処理と,他の先生方が入力した後処理や準備に時間を使っていました。小中学校,特に小学校においては,担当になった場合に,その管理に負担を感じる教職員が多いのではないかと考える所です。

質問します。管理等を担当する人材はどのようになる予定なのでしょうか

【答弁】

児童生徒の進級や進学及び転校に係る更新作業等の運用については,各学校でシステム担当者を指定し,担当者を中心に運用します。担当者には,事前にシステム運用に関する研修の機会を設けるとともに,システム導入後の支援体制として,県教育委員会がしていするヘルプデスクを利用することで,具体的な操作方法が分からない場合でも素早い対応が可能でございます。

【提言】

システム導入による、データの活用、生徒と向き合う時間の確保、学力向上などの効果について、検証もすること、及び、システム担当者のみに負担が係らないよう人材の支援を行うこと提言します。

(2)児童生徒用端末の導入状況について

【質問】

2019年の6月議会において,プログラミング教育に関して,家庭環境の差や校内LANの整備に関して提言等させていただきました。そして,昨年,小中学校の生徒に1人1台ずつ端末の導入が決まったところです。

質問します。現時点で,導入状況はどのようになっているのでしょうか。

【答弁】

児童生徒用パソコンについては,本年度の3月から随時導入を始めます。当初は本年度中に導入を完了する予定でしたが,世界的な液晶パネル不足により,年度内の導入が困難なノート型パソコンを導入します。残りの46校については,順次導入を進め,令和3年6月末までに全小・中学校への導入を完了する予定です。なお,校内ネットワーク及び充電保管庫については,現在,整備を進めており,本年度中に整備が完了いたします。

【質問】

文部科学省は,「GIGAスクール構想」について,令和2年7月に,「1人1台端末・高速通信環境」がもたらす学びの変容イメージを発表しています。変化後は,「子ども達1人1人の反応を踏まえたきめ細やかな指導等,双方向の授業展開が可能」になったり,「1人1人の教育的ニーズ・理解度に応じた個別学習や個に応じた指導が可能」になったり,「全ての子どもが情報の編集を経験しつつ,多様な意見にも即時に触れられる」とあります。また,充実する学習の例としては,調べ学習,マルチメディアによる作品の制作,遠隔教育,情報モラル教育とあります。また,変容イメージとして3段階あり,まず,ステップ1では,”すぐにでも””どの教科でも””誰でも”活かせる1人1台端末とあり,調べ学習,文章やプレゼンの作成,デジタル教材の提示,学習状況に合わせた個別学習などが挙げてあります。その後,ステップ2,ステップ3と続くことになるのですが,本市はいつからステップ1がはじまり,何年後にステップ3の状態になるのか,気になるところです。

質問します。今後,どのようなスケジュールで学習が変化していくのでしょうか。

【答弁】

国は,GIGAスクール構想の実現に向けて,1人1台パソコンと高速通信環境を活かした学習のイメージについて,段階的な指標を示しています。本市では,国の示す指標のさらに前の段階として,まずは,児童生徒や教職員が日常的にパソコンに触れ,パソコンに慣れる,ステップ0段階を位置付けます。例えば,児童生徒が,毎日,自分用のパソコンを立ち上げてログインし,自分の健康状況を入力する,教科書に掲載されているQRコードを読み取り,学習動画を視聴するといった,パソコンの基本操作による活用です。併せて,授業におけるパソコン使用のルールに係る指導を徹底するとともに,小学4年生以上では,操作の基本であるキーボードで文字を入力するスキルを高める機械を設けます。先行して研究をしている本市内の小学6年生の学級では,約3ヶ月間で,キーボードでの文字入力のスピードに向上が見られました。その結果は,文部科学省が平成27年度に高校生を対象に調査した結果を上回るものとなっております。このよな段階を経て,令和3年度の後半を目安に,ステップ1段階の学習活動をスタートさせます。その後,令和4年度にステップ2,令和5年度には,児童生徒自らが課題を設定し,情報の収集と整理分析を行い,表現するといった探求的な学習活動において,ICTを効果的に使えるといったステップ3段階の学習を目指してまいります。


【質問】

事業概要の中には,コロナ禍における子どもたちの学習機会の保障等について研究を進めるとあります。過去の答弁においては,研究中とのことでしたが,保護者の声として,いずれ,持ち帰るようになるのであれば,通信環境等の整備等の負担があるではないかとの声があります。また,コロナ禍でオンライン学習が言われていたり,本市では,LINE活用情報発信事業で,オンライン学習コンテンツ「みやこんじょスタディ」を導入したりしているため,持ち帰らないにしても,各家庭の環境によって差が生じるのではとの不安もあるようです。

質問します。オンライン学習等によって保護者への負担や求められる環境があるのでしょうか。

【答弁】

保護者への負担は,児童生徒に1人1台のパソコンを貸与することから,パソコン等についての保護者への追加負担はありません。なお,家庭において学習をする場合の通信費は,原則,ご家庭の負担となります。国は,誰一人取り残すことのない学びの補償のために,家庭のパソコンやタブレット等の活用,または学校のパソコンの持ち帰り等を推奨しております。しかし,本市の現状では,一部のご家庭において,通信環境が整っていない状況もあると承知しています。併せて,オンライン学習を進めた他地域では,ご家庭で複数の兄弟姉妹が,一斉に使用すると通信ができなくなった事例も報告されており,それぞれの家庭によって,必要な通信環境も違ってくるわけでございます。今後,これらの事例を収集し,ご家庭における通信環境についても,研究を進めたいと考えます。

【提言】

知らないことに対して、不安が生まれ、不満に繋がることになります。大学入試制度も変わり、外国語教育やプログラミン教育の実施、GIGAスクール構想と教育内容が変化しつつあります。スラバスを作成していることと考えますが、市として、市民・保護者に対して、改めてカリキュラムを提示することを提言します。

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