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執筆者の写真いっとく

教育問題~指導の中心に子供をおいた教育~

2021年9月議会

(1)指導の中心に子供をおいた教育

(2)学習指導

(3)生徒指導

(4)キャリア教育や進路指導

(5)部活動指導

(6)教育環境


【背景】

学校の対応について、保護者からの相談を受けることが多々あり、その話を伺ってみると確かに学校の対応に疑問を感じるところがありました。学校に話を聞いてみても明らかに、おかしいため、教育委員会として、なにか動くことができるのではないかと考えます。


(1)指導の中心に子供をおいた教育について

【質問】

学習指導要領の改訂が小学校は2020年度、中学校は2021年度、高校は2022年度に行われます。また、GIGAスクール構想や35人学級の導入、小学校の教科担任制など、学校の教育環境が大きく変わりつつあります。

質問します。まず、指導の中心に子どもをおく教育とはどのような教育のことでしょうか。

【答弁】

学校を「子どもを育てる場」から「子どもが育つ場」として捉え直し、全ての教育活動について、児童生徒一人一人の主体的な学びを指導・支援すること。

【意見】

学校が「子ども育つ場」、主体的な学びを指導・支援するとう視点で、保護者の声や疑問を少しでもお伝えしていきたいと考えます。

(2)学習指導について

【質問】 文部科学省は、8月31日に2021年度全国学力・学習状況調査いわゆる全国学力テストの結果を公表しました。宮崎県は公立小中学校の平均正答率で全国平均を上回ったのは小学校の国語だけで、小学校の算数、中学校の国語数学は全国平均以下で、中学校では、全国との差が広がっており、課題と捉えていると県教委の見解がありました。文部科学省は新型コロナウィルス感染症対策で行われた一斉休校による学力への影響は全体ではなかったと結論付けた一方、全国学力テストと同時に行われたアンケートの結果を照らし合わせると、昨年の一斉休校中、勉強に不安を感じ、計画的な学習が出来なかった子は相対的に正答率が低い傾向が浮かんだとありました。家庭環境が不利な状況にある子どもたちにとって、学校での教育は非常に重要なものとなっております。

質問します。宿題はどのような位置づけで、どう活用されているのでしょうか。

【答弁】

宿題は、学習内容の定着と家庭学習習慣を身に着けさせるための手立ての1つ。内容や分量は、子どもの発達段階や実態に応じて学校が定めている。各学校では、年度初めに、「家庭学習の手引」を配布するなど、家庭学習効果をより高める工夫をしている。

【意見】

学習内容の定着と家庭学習の習慣の定着とのことですが、毎日宿題があるわけではないようです。また、パス券という制度で、宿題をしなくてもよい日もあるようです。子どもにとってはうれしいようですが、パス券を使用したときの宿題の内容の定着はどこで行うのでしょうか。定着が図られているのか疑問です。宿題をできない日が分かっており、先取りで実施すると毎日しなさいと指導され、できなければ指導される。学校の都合で、宿題のない日はあるのに、子どもの都合で宿題のない日をずらすといけない。これは本当に指導の中心が子どもになっているのでしょうか。


【質問】

全国学力テストですが、北陸学院大学の村井教授によると、石川県の学力が高いのは県独自の学力調査も行い子どもの指導法改善に努めており、学力テストの結果を分析し、フィードバックして授業改善を進めていると分析されております。2020年6月議会で文書にて休校期間中の家庭学習のフィードバックについて質問しました。全国学力テストの結果を踏まえると不十分であったのかと思わざる得ないところです。労力はかかりますが、単元テストや定期テスト、評定などの結果を見て子どもにフィードバックしていくことは、大切だと考えます。特に小学校段階でのつまずきを無くすことは重要ではないでしょうか。

質問します。適切にフィードバックがなされているのでしょうか。

【答弁】

評価テストは、学習内容の理解を児童や教師が確認するための手段。児童に学習状況をフィードバックし、明らかになった課題は繰り返し指導していく。結果を分析し、教師の授業改善につなげている。

【意見】

保護者に依頼される宿題の丸付けについても疑問や負担の声が聞こえます。簡単な計算等は教えることができますが、字を上手にかけるように保護者が指導することはなかなか難しいようです。先生の中には、毎回子どもの字をチェックしてくださる先生もおり、感謝しながら、保護者も丸付けをしたということも聞きましたが、全ての先生ではありません。成績をつける観点の中には字の丁寧さもある話を聞きましたが、できるように指導されていない状態で進級し、高学年で字が悪いと評価されている。子どもは、何がどう悪くてこの評価なのかわかっていない。そのような状態になっていると聞いております。また、小学校で夏休みに学習に不安のある子どもには補講をしてくれたこともあり保護者からはかなり評判が良かったですが、それが実施されたのは2年ほどのようでした。他の年の児童や他校の児童は優秀だったのでしょうか。そうではないことは明らかであり、学校の都合、管理職の考え一つで実施されたことになります。これは、指導の中心に子どもがいたのでしょうか。


(3)生徒指導について

【質問】

文部科学省は、2021年6月に社会や時代の変化に合わせて見直すよう求める通知をだされました。

質問します。本市の現状はどのようになっているのでしょうか。また、見直された校則としてはどのようなものがあったのでしょうか。

【答弁】

今年度、「必要かつ合理的な範囲内」という視点で積極的な見直しを指導し、既に全ての学校で見直しが行われている。生徒自身が校則の見直しを行う委員会を立ち上げ、改定案を検討し、生徒総会で決定するなど、校則について生徒が主体となって見直しを行っている学校もある。具体的には、靴下や下着の色について色の変更を認める、制服の更衣期間を廃止するなどの見直しが行われている。スラックスの選択制を校則に盛り込んだ学校もある。

【意見】

生徒が主体となって見直しを行うことは大変良いことだと考えます。宮崎大宮高校の校則で、教員が決めたものはルーズソックスの禁止だけだそうです。髪の長さやスカートの長さ、靴下の色など、全て生徒会で決め、生徒がそれを誇りに思っております。クリティカルシンキングという言葉がありますが、これまでの当たり前に疑問を持つこともこれからを生きる子供たちには必要なことだと考えます。小学校のランドセルですが、これでなければならないと決まっているわけではありません。しかし、荷物の少ない日でも、ランドセルで来るように指示されているようです。理由としては、安全性が考えられると伺いましたが、雨天時など普段両手がふさがるような日も多々ある中、安全性という回答に疑問を感じるのは私だけでしょうか。

【質問】

引きこもり支援について質問を行いましたが、ひきこもりに至るまでに、学校での不登校やいじめの被害を経験されたことが要因となっている方もおられるようです。不登校・いじめ対策が不十分であれば、その子どもにとって大きな損失であると考えます。

質問します。ひきこもり状態にある不登校児童生徒へのアウトリーチ型支援の実施状況はどのようになっているのでしょうか。

【答弁】

不登校児童生徒には、学級担任を中心に学校職員がチームとなり、保護者への電話連絡や家庭訪問、情報収集や心のケア及び再登校に向けての支援を行う。不登校状態にあり、児童生徒に会えない家庭に対しては、学校がスクールソーシャルワーカー、教育相談員、こども課や児童相談所などの関係諸機関と連携し、家庭訪問を行っている。

【意見】

教育委員会では、ひきこもりの子どもの実数等を把握しておらず、学校ではひきこもりという言葉を使わないような話でしたので、学校と社会とのずれがあるように感じたところです。もしかしたら学校に問題があることもあります。ある生徒の話ですが、学校を休みがちでしたが、教室内では友達とも話を一見悩みを抱えている様子ではなかったようです。しかし、教頭先生から髪の毛の色で指導され、それから学校へくることができなくなりました。新学年が始まると学校へ来るようになりました。その学校は1クラスしかないので、クラスメートは同じです。変わったのは教員で、その教頭先生も転勤でした。学校側に問題があった場合、なかなか声を出せないのが現状なのです。


【質問】

確かに、学校で生徒指導上問題となる子どもの背景には、家庭環境が原因となっていることも多々あります。学校は家庭になかなか口を出せないかもしれませんが、子どもの命に係わることは、積極的にかかわる必要があると考えます。例えば児童虐待です。

質問します。学校における児童虐待の早期発見・早期対応のための研修の実施状況はどのようになっているでしょうか。

【答弁】

児童虐待防止法第6条により、虐待を発見したものは、速やかにこれを通告しなければならない。令和2年1月に市教委が作成した学校版児童虐待防止マニュアルでも児童虐待の通告は義務であり、その確証がなくとも、虐待が疑われる状況をもって通告できるとしている。各学校では、年度初めの生徒指導に係る研修等で、このマニュアルに基づき児童虐待への対応の共通理解・共通実践を図っている。


(4)キャリア教育や進路指導について

【質問】

子どもの進路実現を行うは、小中高とそして大学という長い教育の中で、節目節目で適切なキャリア教育や進路指導が必要になってくることと考えます。また、小学校から高校までのキャリア教育にかかわる活動について、学びのプロセスを児童・生徒自身で記述し、蓄積した記録を振り返ることができるポートフォリオのような教材として、キャリアパスポートが2020年度より導入されております。

質問します。本市のキャリア教育や進路指導の方針はどのようになっているのでしょうか。

【答弁】

社会を生き抜く力を伸ばし、社会的・職業的自立を目指して、学校・家庭・企業等との連携も強化し、キャリア発達を促す教育を充実させることとしている。総合政策課の「産学官連携!キャリア教育推進事業」や商工政策課の「夢見る課外授業」など、各課の協力を得ながら各学校の進路指導に役立てている。キャリアパスポートも、全児童生徒のファイルを各学校に配布し、学習活動を振り返り、自らの成長や変容を自己認識できるよう、積極的な活用を図っている。


【質問】

キャリアパスポートの積極的な活用を期待しています。進路実現をしていくために、多くの生徒が高校等へ進学する現状があり、その第一歩として、受験があります。来春卒業予定の県内高校生について、7月末時点の就職希望者が、前年比の12.1%減の2144人となり、記録が残る1993年調査以降、過去最少であったと宮崎労働局から発表が8月31日にありました。これは進学する生徒が多かったことも意味しております。

質問します。本市の受験指導はどのようになっているのか。

【答弁】

中学校卒業時の受験指導は、生徒本人がもつ、将来への展望や関心を中心におき、保護者の願いや家庭の状況にも心を配りながら、生徒に寄り添った指導が重要。受験指導は、各中学校長の学校経営方針の下、進路指導主事や第3学年の職員を中心に、組織的に対応、個別面談や三者面談を繰り返しながら、生徒の意思で進路決定できるよう支援。

【意見】

学校の指導によって、理数科を希望していたが普通科へ変更した生徒や、倍率が高いからと定員割れしている学校へ変更させられた生徒の話を聴きました。第2希望での普通科合格や2次募集での合格でも同じ結果です。第1希望の学校にチャレンジさせてもらえなかったとのことです。さらに高校受験の願書締め切り後に高専の合格発表があるため、実質倍率が違うことも全ての教員に知っているのでしょうか。また、毎年約200人を超える児童が中学受験を行っている現状があります。受験に向けて小学校の先生から入塾を進められた保護者もいました。保護者間で、どこどこ小学校は面接指導をしてくれたとか、うちの小学校は頼んだら断られたとかの話もあり、小学校の教員にも進路指導を求めている保護者の声もあります。学校が対応しないため、教員の指導よりも塾の指導に従う生徒保護者の話もも多くききます。他に、生徒の意思で進路決定できるよう支援するとのことでしたが、これは責任を生徒へ押し付けたようにも受け取られます。生徒に寄り添った指導が重要とのことで、これは、教員であればどこの自治体でも同じかと認識しておりました。しかし、市内の中高一貫校では、三者面談で、うち以外の高校を希望するのであれば、今後指導をしないようなことを言われた話を聞きました。進路変更を今後も望むのであれば管理職と話をしてくださいと言われ、そこで諦めたと聞いています。その話は一人ではなく、複数いて驚いたところです。指導の中心は子どもだったのでしょうか。県立学校に市としては意見を言いにくいということもわりますが、県立学校の生徒も都城市民であり、切れ目ない支援になっているのでしょうか。教員は学校が変わったら子どもを中心に考える必要はないのでしょうか。

(5)部活動指導について

【質問】 部活動について、教員にとっては負担が大きいという声もあります。私個人として部活動は推奨しておりますが、教員歴約15年の中で自分がしていた部活動を受け持つことができたのは2年間だけでした。それ以外は、別の部活動担当でルールを覚えるところから始まります。保護者からの心にささるような声を聴いたり、生徒に見下されたりすることもあり苦痛な時期もありました。しかしながら、専門でないが故に結果を出すこともできたと自負しています。なにより、生徒と一緒に学び上達し、喜びを分かち合うことができました。その取り組む姿が最終的に生徒に受け入れられ生徒も頑張ったと考えています。また、宮崎勤務の時は、朝6時前に家をでて、夜9時に帰ってくる、土日も課外や部活という生活でした。ある日、地域の会議のために早く帰り、いったん家によった際に、子どもから今度はいつ帰ってくるの?と言われたことは忘れることができません。それだけ家族に負担をかけている現状もあり、教員の負担も理解しております。部活動を担当することが負担に思う教員にとって外部指導員の活用は、ありがたいものと考えます。

質問します。外部指導員の導入の現状はどのようになっているのでしょうか。またどのような課題があるのでしょうか。

【答弁】

令和2年度で、外部指導者は47名。部活動は教育活動の一環であるため、外部指導者と部顧問との間でコミュニケーションをとり、部活動本来の目的について共通理解を図ることが重要であると考える。

【提言】

児童生徒や保護者、部顧問は、外部指導者に対しては、意見を言えない場合もあるようですので、部活動本来の目的を達成するためにも、アンケートを実施するなどして、指導が適切であるかの把握を行うよう提言します。


【質問】

部活を頑張りたい子の中には、指導者で学校を選んで、地元以外の学校へ進学する子もいる話を聴いております。そのためにいったん住所を変えて校区外へ進学する状況のようです。教員視点でなく、子どもの視点で見れば、この校区というは弊害の1つのようにも思えます。

質問します。校区による制限を無くすことはできないのでしょうか。

【答弁】

部活動による校区外通学を認めていない。認めることになると、学校間で生徒数の偏りが生じる可能性などの課題もあり、慎重であるべきと考えている。

【提言】

校区を認めていないとのことですが、校区外通学をしている実態を把握されていないのでしょうか。それでありましたら、教員は生徒をちゃんとみているのでしょうか。把握されているのでしたら、この問題点は何でしょうか。時代が変わってきているのではないでしょうか。生徒が後ろめたい気持ちにならないよう対応が必要だと考えます。確かに生徒数の偏りが大きくなるなら問題ですが、三股町は小規模校への校区外通学を認めており、遠方の学校へはスクールバスもあります。そこで、例えば、有水や笛水、夏尾や西岳などの小中学校を部活動指定校として、無償のスクールバスを出すことも案としてあるのではないでしょうか。夏尾や笛水などは、親が送迎できるなら学区関係なく選ぶことができますが、興味はあるが送迎が負担という声あります。また、35人学級による教室不足も、大規模校から小規模校へ希望できる仕組みがあれば、校舎を増築するよりもスクールバスを無償にした方が、コストが低いのではないでしょうか。子どもは堂々と希望する学校で活動ができる。受け入れ先の学校では子どもの数が増え、地域も含めて活気がでる。バス会社も利用されてありがたい。市は校舎増築の予算削減が可能。一度検討をすることを提言します。


(6)教育環境について

【質問】 教育の場は重要であり、小学校の運動場の改修について、以前一般質問で取り上げました。部活動での利用頻度が高い中学校を優先し,整備を実施。小学校については,プールの改修工事を重点的に進めており,現時点では,小学校の運動場の改修計画はないとの答弁でした。中学校の運動場の整備後は、小学校の運動場の整備をと提言したところでしたが,中学校の運動場の改修も終わることと考えます。

質問します。小学校運動場の改修の考えどのようになっているのでしょうか。

【答弁】

小・中学校の運動場整備は、部活動での使用頻度が高い中学校を優先している。昨年度は、志和地中学校を整備、本年度高城中学校の整備により中学校の整備は終える見込み。小学校は、本年度、沖水小学校の運動場改修の設計を発注している。今後は、各小学校の運動場の状況を判断しながら、校舎、体育館、プールなどの改修等も含め、優先度を総合的に判断し計画的に整備を進めていく。


【質問】

中学校の制服について伺います。複数の同僚議員も制服について議会でたびたび取り上げられている状況で、私も制服については、2018年6月議会で触れ、2020年3月議会で、市教育委員会主導で市内共通の制服(標準服)を進めていくよう提言しました。市内の高校では、制服の変化が進んでおります。9月2日の宮崎日日新聞によると、日南市では、市内9中学校の制服を2023年度の新入生から統一する方向で検討していると掲載されておりました。制服統一の柱としては3つあり、「現行の制服より価格を下げ、保護者の負担を減らす」「動きやすさや耐久性など機能性を重視し家庭で洗濯ができる」「多様性に配慮し、性別によって制服を強制されず、選べるようにする」です。本市も進むよう期待しているところで、中学校のスラックス導入も進展していると伺っております。しかしながら、多くの市民はその制服の変化を気づいておられない方も多いようです。そこで、市民に広く理解していただくことも必要であり、メディア等に取り上げてもらうことも必要かと思います。

質問します。本市のスラックス導入状況はどうなっているのでしょうか。また、周知について市はどのように考えているのでしょうか。

【答弁】

令和4年度から全ての中学校で制服選択制が導入される。周知は、まず保護者の理解を得るため、学校からの文書や参観日等での説明を予定。学校ホームページ等でも紹介する。

【提言】

今回いくつか保護者の声を伝えましたが、教育委員会としては、問題があれば個別に対応すると伺っています。しかしながら、多くの児童生徒、保護者は、学校に対して意見をいうことにすごく抵抗があり、今後のことを考えると子どもが人質のような状態であり、よほどのことがないと言えません。よかれと思って言っていると、あそこの親はモンスターペアレンツだと言われている話もPTA役員の中で聞いたこともあります。今回、保護者の声を一部お伝えしましたが、子どもが卒業されてから教えてもらった話が多く、今年もそのような事態となっているかはわかりませんが、ヒヤリ・ハットで知られるハインリッヒの法則のように、大きな問題が起こるのではないかと危惧しているところです。児童生徒のみならず、教職員も含めて、ケアを行うことを提言します。

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