2019年3月議会
(1)これまでの選挙啓発の活動
(2)小中学校での主権者教育
(3)今後の投票率向上
【背景】
選挙啓発と主権者教育についてです。選挙権は国民主権のもと,参政権の中にある,人権の1つになります。過去には,納税額や性別で選挙権の有無がありましたが,現在は,年齢も引き下げられ18歳以上の多くの市民に選挙権がああります。しかし,住民の流動性が大きくなるにつれて,投票率の低下が大きくなり,せっかくある選挙権という権利を行使しない方々が多くなってきています。投票することで,自分たちの住むところをよくしていくことにつながっていくことになります。前から都城に住んでいる方々から,近年の投票率の結果を危惧する声が聞こえてきます。
(1)これまでの選挙啓発の活動について
【質問】
年々投票率が低下してきている結果があります。合併後のデータでは,国政選挙や市長選,市議会議員選挙では50%を切っています。また,県議会議員選挙では,40%を切り,先日の県知事選挙においては,30%を切り最低得票率となっています。
質問します。現状の投票率について選挙管理委員長の見解を教えてください。
【答弁】
12月23日に執行された宮崎県知事選挙の本市の投票率は,前回より10.17ポイント低い29.50%と大変残念な結果となりました。これまでの選挙を振り返ってみると,平成22年の宮崎県知事選挙において50%を下回って以降,低下し続けていた投票率は,平成28年の参議院選挙,平成29年の衆議院選挙では上昇に転じましたが,再び低下の傾向にあります。全国的な傾向として,投票しても変わらない,候補者が分らない,選挙に興味関心がないなどのいわゆる選挙離れが進んでいることや,年齢別投票率からは仕事・子育て・介護などで忙しいことが大きな要因だと考えております。
【質問】
昨年,選挙管理委員会主催のわけもんの主張という発表大会に参加させていただきました。趣旨は,若者が選挙や政治に対し,日ごろ考えていることや感じていること,求めていることについて意見発表することにより,有権者または有権者になる者として政治や選挙に関する認識を深め,有権者に求められる責任感や明るい選挙推進運動に対する意識の高揚を図るということです。確かに,発表された方々は,意識の高揚が図れたのではないかと思います。しかし,多くの方に聞いてもらえば,より多くの方の意識の高揚を図ることができ効果が高いのではないでしょうか。参加者数が少なかったのが残念です。また,講評をして終わりでなく,発表で出された意見を取り入れ,改善することが,主権者教育といえるのではないでしょうか。
質問します。わけもんの主張の開催について,今後どうされるのか教えてください。
【答弁】
わけもんの主張は,今年で13回目を迎え,県内各地の予選会で選ばれた14名が発表を行う大会です。この予選会として,都城・北諸県支会大会を開催しており,今年は,本支会から選ばれた発表者が,県大会でも素晴らしい発表を行い,見事,最優秀賞を受賞しております。この予選会で,より多くの方に発表を聞いて頂きたいとの思いから,市内17企業・団体を訪問したり,広報都城やホームページでお知らせしたり,ラジオやマスコミへの情報提供を行いました。また,今回,若い世代の参加者を増やすことを目的とした初めての試みとして,大会の司会進行等において都城泉ヶ丘高等学校や都城聖ドミニコ学園高等学校音楽部に協力をお願いしました。しかしながら,会場に足を運んでいただける方が少なかったため,今後,大会の参加者を増やせるよう工夫してまいります。
【質問】
18歳の投票率よりも深刻なのが19歳の投票率です。18歳は高校での主権者教育などが身近にあるため,意識が高いのだと考えられますが,高校卒業後は直接的な主権者教育に接する機会が少ないのではないでしょうか。過去には成人式において,大人の自覚として,選挙管理委員会が簡単な説明をされていたように記憶しています。
質問します。成人式での選挙啓発について見解を教えてください。
【答弁】
平成28年までは,新成人の代表者に宣言文を読み上げてもらったり,選挙管理委員長からのメッセージを読み上げてもらったりしておりましたが,平成28年の選挙権年齢の18歳への引き下げに伴い,平成29年の成人式からは,成人者全員にチラシやパンフレットを配布し,啓発しております。今後は,成人式における成人者への啓発も工夫してまいります。
(2)小中学校での主権者教育について
【質問】
自治体によっては,積極的に模擬投票や子ども議会といった取り組みを行い,主権者教育を義務教育の段階から実施しているようです。形だけの取り組みではなく,実になるような内容のところもあるようです。例えば,模擬投票では,投票の体験だけでなく,実際の選挙を題材にし,各自の政策などについてディベートし投票を行うということをしている自治体があるそうです。また,子ども議会ででた意見を市政に反映させている自治体や,子どもたちに実際の投票所行って体験してもらうために,景品を用意し啓発している自治体など小さいうちから主権者としての意識醸成を行っているようです。
質問します。本市での主権者教育はどのようなものをおこなっているのでしょうか。
【答弁】
平成26年度から,年間5校を目途に市内の中学校で出前授業を行っております。今年度,市内すべての中学校で一巡目が終わり,現在,二巡目に入っております。内容としては,選挙の存在意義や選挙権の歴史,投票率の現状・投票の流れなどを漫画やグラフ,クイズを用いて分りやすく説明しております。また,平成27年度には,中学校2校に対して模擬投票を行った実績もございます。更には,出前授業を行った際に中学3年生に対して,3年後,有権者となった自分宛に,投票に行くよう促すメッセージを書いてもらい,そのメッセージを3年後,実際に郵便はがきで自宅に届ける,といった取組も行っております。
(3)今後の投票率向上について
【質問】
わけもんの主張の発表内容でも公開討論会などがあるとよいという意見がありました。投票の機会を多く作ることが大切だと考え,軽自動車での移動投票所の開設などしている自治体もあります。
質問します。今後,投票率向上のために何をしていくのか教えてください。
【答弁】
今回の宮崎県知事選挙では,これまでの啓発活動に加えて,入場券の裏に「大事な一票です。必ず投票しましょう。」と記載し,直接選挙人に啓発しました。また,投票日等をお知らせするテーブルポップや棄権防止を呼びかけるチラシの配布についての協力企業を拡大し,保育所・幼稚園,小中学校の子どもたちを通した保護者へのチラシ配布,大型スーパーや家電量販店において,店内放送や棄権防止用チラシ掲示の依頼,各高等学校,都城工業高等専門学校及び各種専修学校においては施設内放送や棄権防止用チラシ掲示などを行いました。学生の投票機会については,現在南九州大学に期日前投票所を設置しておりますが,今後,高校生や学生向けの出前授業の更なる充実や各種啓発活動を行い,投票率向上に結びつくよう努力してまいります。
【提言】
それぞれの質問において,前向きな答弁をいただいたところです。出前授業は4年間で一巡ということでしたので,授業を受けない中学生がいることになりますので,義務教育期間に一度は出前授業を受ける事ができるように検討していただきたいと考えます。また,要因として,候補者が分らない,仕事・子育て・介護などで忙しいなどあるようですので,これまでの成果を検討していただいて,効果のないものはスクラップし,公開討論や移動投票所など大胆な策をビルドしていただきたいと考えます。
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