2021年9月議会
ただいま議案となっております。
「コロナ禍による米生産危機の改善を求める意見書について」
反対の立場から討論いたします。
過剰在庫の隔離や食料支援を単体で見たときは、非常に良いことだと誰しもが考えるところで、私自身もそう思います。自分が国会議員であればそのように声を上げるかもしれません。しかしながら、都城の市議として、宮崎・都城の米政策という視点で考えた場合に、この意見書には疑義が残ります。
反対の理由を述べます。
1点目は,過剰在庫の隔離が本市の米生産危機の改善に直接影響はないことです。
確かに、米の価格が高いことは生産者にとってはうれしいことのようです。また、市場から在庫が隔離されることにより、米価が安定することも喜ばしいことのようですが、それは間接的なことのようです。平成30年度から国主体の減反政策を廃止し、農業者が主体的に需要に応じた生産・販売を行うことになっており、都城は団体等とも協力し生産調整を実施しております。そのため、都城には2年産の在庫はないとのことです。
2点目は、他の自治体のことに関して都城市議会として意見をいうことに疑問を感じることです。
昨年のうちから、コロナによる影響を考慮し、作付転作が必要とされており、各産地で需要動向や在庫の水準把握が進められておりました。都城市では、本年度も約40haの転作が実施され、地域で生産調整ができているところです。米のランクには、主食用米、業務用米、加工米、飼料用米の順であり、都城では、主食用米と加工米を生産しているようです。この全国的に過剰だと言われている米は、業務用米のようで、これまで、業者と直接取引ができた農家など関東近隣の産地が危機とのことです。需要に応じた生産調整ができなかった自治体の状況を都城市議会がいうのはおかしいのではないかと考えます。
3点目は,本市の生産者が求めている米政策は他の内容であることです。
複数の農業者にしか意見を伺うことができませんでしたが、コロナ禍という短期てきなことを求めておりませんでした。政策として、他県からの米の流入を抑える政策。休耕地や田んぼの管理を行える政策。そして、県内の主食用米の生産拡大を図る政策とのことでした。市民の代表者としてこちらを進めていただきたいと考えます。
4点目は、食糧支援が、コロナ禍における米生産危機の改善につながっていないことです。
冒頭も申しましたが、国単位で見たときに、この2つの政策は単体としては評価できるところです。しかし、在庫隔離によって、市場と切り離すことで米価の安定を図ることを目的としていますが、食料支援を実施すればするほど、米がいきわたることになり、米価下落の抑制効果がうすくなることが考えられます。また、反対に米価上昇すれば、生活困窮者にとってはより苦しいものとなります。よってこの2つの政策は、在庫のないような平常時であればうまくまわることも考えられますが、現状では矛盾していると考えます。
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