2019年3月議会
賛成の立場から討論いたします。
賛成の理由としてましては,4点あります。
この議案は,旧都城市民会館の解体費用及びメモリアル費用を除いたものになっております。元教員としましては,文化的な価値として,世界遺産になれば,後世に大きな財産を残すことになり,総務委員会の結果は尊重するところです。
しかし,旧都城市民会館の在り方について,都城市は15年に亘って真剣に向き合ってきております。世界遺産の可能性に関しましても,この半年間検討され,イコモスからの危機遺産勧告に対しましても,他の自治体の状況等を踏まえ検討されております。また,市は,文化施設,公共施設,公園,観光施設,民間施設の5つの用途から見た活用に対して,ハード面から見た保存の考え方を11の手法で検討されています。その中からさらに,完全保存,部分保存,民間貸与活用,オマージュ再生建築,解体・無形保存の5つについて,概算事業費,参考事例,メリット,デメリット,課題等を検討した結果,解体・無形保存の案を提案されております。
つまり1点目の理由は,文化財としての価値も十分精査していると考えます。
2点目の理由は,費用についてです。都城の宝は次世代を担う子どもたちであり,そのために予算を使って欲しいという声があります。医療費無償化の拡充,子どもの貧困対策,子育て支援,国民年金で入れる特別養護老人ホームの充実など課題が山積しております。市民のくらしを一番に考えた場合,福祉,教育といった市民の生活のために今やるべきことがあると考えます。
3点目の理由は,これ以上の議論の先延ばしは,課題の先送りとなることです。世界遺産のための調査や活動には,終わりが見えません。安全面の責任はだれがとるのでしょうか。ここで解体しなければ,最低10年,もしからしたら20年以上の危険性や活動の大きな負担を,八幡町の皆さんや市の職員の皆さんに与えることになると考えます。さらには,次世代の子どもたちに負の遺産を残すことにもつながると考えられます。
4点目の理由は,この都城に住む市民の意見を尊重したいということです。私たち議員の多くは,それぞれの地域の代表という一面があります。そこで私は,沖水地区公民館長をはじめ,各民主団体,PTA,壮年,高齢者など171名の方に世界遺産の可能性も含めて,アンケート調査を行いました。その結果,解体135名,保存22名,その他14名となり,約8割の方が解体を希望しております。私はこの方々の意見を尊重したいと考えます。
以上4点の理由から旧都城市民会館の解体に賛成します。
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