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執筆者の写真いっとく

議員研修報告~新人議員研修~

2018年5月

研修先・テーマ

 平成30年5月14日(月)~18日(金) 滋賀県大津市(全国市町村国際文化研修所JIAM)

 平成30年度 市町村議会議員研修[5日間コース] 新人議員のための地方自治の基本


研修内容

14日 14:00~  受付

16:00  開講式(開講オリエンテーション,入寮オリエンテーション)

17:30~19:00 交流会

15日 9:25~12:00 講義:地方自治制度の基本について(同志社大学 教授 野田遊)

13:00~17:00 講義:地方議会制度と地方議会改革の課題について(山梨学院大学 教授 江藤俊昭)

  ・地方政治の負の連鎖と正の連鎖の可能性

  ・経済教室

  ・飯田市議会における一年間の流れ

  ・PDCAに2つのDを付加する

  ・議員が陥りやすい報酬と定数の論点

  ・議会改革による市民教育の充実

  ・議員のなり手不足とその解消の方向

16日 9:25~12:00 講義:地方議員と政策法務(東北大学 教授 荒井崇)

13:00~17:00 演習:条例演習・意見交換・発表・全体討議・まとめ(東北大学 教授 荒井崇)

17日 9:25~15:35 講義:地方議会と自治体財政(関西学院大学 教授 金﨑健太郎)

15:50~17:00 演習:意見交換・質疑応答(関西学院大学 教授 金﨑健太郎)

18日 9:25~12:00 講義:分権時代の地方議員に期待されていること(白石市長 山田裕一)

12:00~ 12:30 閉講式・事務連絡


研修の感想

 議員になり,早い段階でこの研修に参加することができ非常によかったと感じている。今回参加しなかった同僚の新人議員とも勉強会を開いて学びたい内容であった。また,議員としての使命をしっかりと果たすためには必要な内容であり,これが土台となり今後の議員活動にしっかりと活かしていきたいと感じた。


研修の成果及び市政への反映

 成果として,本研修を通して,近畿の議員をはじめ北海道から宮崎まで70名の新人議員が参加しており,政令指定都市の議員から小規模の町議員まで数多くの議員と意見交換を行い,他の市町村の状況等を知ることができた。議会の役割として大きく,政策提言(添付資料※1),行政の監視(添付資料※2),説明責任などがあり,今後の議会活動に本研修で学んだことを十分に生かしていきたい。


(1)都城市議会基本条例について

今回の演習のグループワークの中で議会基本条例を作成する演習があり,その事前学習で都城市議会基本条例(別紙概要を添付)を熟読し,本市の議会像を確認できた。全国の地方自治体で議会基本条例がない自治体が約半数あり,都城市は議会改革が進んでいる方であった。都城市議会基本条例は,『議会基本条例の構成と基本事項』(添付資料※3)をしっかり押さえてあったが,まだまだ市民に開かれた議会にしていく必要性がある。本市の議会基本条例において,第10条(災害時の議会の役割),第11条(市長等との関係),第16条(議員立法審議会)が他市町村にはなく特徴的であった。しかし,本市の課題として,次のようなものが考えられ,改善していきたい。

①第5条に,一般選挙を経た任期開始後速やかに,この条例の研修を行わなければならないとあり,研修が実施されたが,もっと深い内容で実施していく必要性を感じた。

②第9条では,議会報告会に関する条文であるが,今後より市民との意見交換の場を活性化させていく必要がある。

③第14条は議決事件の追加の条文で,重要な計画等の決定を議決事件の追加に努めることになっている。総合計画は重要な計画にあたり,今後しっかりと判断を行いたい。

④第15条の自由討議を今後より活性化させていきたい。

⑤第16条には議員立法審議会について書かれており,議会の役割として条例制定をしっかりとしていく必要がある。

⑥第21条は議会図書室の充実であるが,機能強化に向けて大きな課題が残る。

⑦第22条は広報広聴機能の充実で,広報広聴委員として,議会の活動について分かりやすく周知できるよう改善していきたい。

⑧第26条にこの条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検討するとあり,検討していきたい。

 

(2)都城市決算カードについて

 本市の決算カード(別紙)をみることで,市の経営状況を把握することができた。また,行政の監視材料として,決算カードを利活用していきたい。ポイントとして次のものが考えられた。

①地方債において,臨時財政対策債の額及び割合が高くなってきておりこの中身を精査していく場面が出てくることが予想される。

②性質別歳出の状況と目的別歳出の状況をみて,住民のニーズが反映されているかチェックしていきたい。

③人件費に関してはラスパイレス指数を見て,他の自治体との比較検討を行うと本市は98.6で高いとは言えないことがわかる。

④財政力指数は,財政面での豊かさの程度を表しているが,本市は0.52で財政的には豊かであるとは言えないことがわかる。

⑤健全化判断比率の本市の状況としては,実質公債費比率が5.1%であるが,18%を超えてくると危険な状態であると判断できる


添付資料

研修資料の抜粋として,以下に議会基本条例の構成と基本事項,立法のポイント,予算審議のポイントを示す。また,演習で使用した都城市議会基本条例の目次と都城市決算カードを添付する。


※1 立法のポイント

 (1)規制条例における行政手法の組合せのイメージ

  ①規制的手法(許可制,届出制)

   実効性確保手法(許可の取り消し,措置命令,公表制,罰則・過料)

  ②計画手法(計画と規制的手法をセットにする方法)

  ③コミュニケーション手法(パブリックコメント)

  ④誘導的手法(補助金,情報提供,行政指導)

  ⑤民間力活用手法(市民からの情報,行政運営の第三者チェック)

  ⑥紛争処理手法(苦情処理)

 (2)基本条例における行政手法の組合せのイメージ

  ①計画手法(計画の目的,計画の内容,策定の手続き,公表の方法,計画の変更,他の構成要素)

   基本方針の策定(計画になじまない領域の場合)

  ②協定手法(地域を構成する主体と行政機関等の間で協定を結ぶ)

  ③認定手法(地域で基本条例が示す理念を先駆的に具現する主体等を行政庁が公的に認定する)

  ④誘導的手法(補助金,情報提供,行政指導,計画の公表制)

  ⑤民間力活用手法(市民からの情報,行政運営の第三者チェック)

  ⑥紛争処理手法(苦情処理)


※2 予算審議ポイント

 (1)予算全体への視点

  ①予算規模(全体の俯瞰図を得る)

  ②財源不足の発生の有無,その処理

  ③一般財源の確保の状況

 (2)健全な財政運営の視点

  ①将来の財政負担の見通しと抑制

  ②義務的経費の状況

  ③基金の積立・取崩しの状況

  ④行財政改革の推進

 (3)予算に盛り込まれた政策・事業への視点

  (決算結果が反映されているか)


※3 議会基本条例の構成と基本事項

 ①前文(制定の意義,制作過程,議会や住民の思いを明示)

 ②議会運営の根本規範性(議会運営の基本原則・法令等の解釈基準)

 ③議員・議長,議会の役割・責務

 ④住民に開かれ住民参加を促進する住民と歩む議会

 ⑤議員間討議を重視する議会

 ⑥執行機関と政策競争をする議会

 ⑦上記④~⑥の3つの要素を実現する制度


都城市議会基本条例 概要

 地方議会は、住民から直接選挙によって選ばれた議員と首長による二元代表制の下、行政の事務執行に対する監視及び評価機能、住民の多様な意見を反映させた政策の立案及び提言機能を十分に発揮しながら、住民自治及び団体自治の原則に基づく、真の地方自治の実現を目指すものである。

都城市議会は、市民の意思を代弁する合議制の意思決定機関であり、市民の負託に応える責務を有するとともに、市政の発展及び市民福祉の向上を図る使命が課せられている。

ここに、都城市議会は、住民自治の主権者である市民への誓約として、議会の役割と活動の指針を明確にすべく、議会の最高規範として、この条例を制定する。

第1章 総則

 第1条(目的)

 第2条(定義)

 第3条(基本理念)

 第4条(基本方針)

 第5条(最高規範性)

第2章 議員の活動原則

 第6条(議員の活動原則)

 第7条(会派)

第3章 市民と議会の関係

 第8条(市民参加及び市民との連携)

第9条(議会報告会)

第10条(災害時の議会の役割)

第4章 議会と行政の関係

第11条(市長等との関係)

第12条(市長による政策等の形成過程の説明)

 第13条(予算及び決算における政策説明)

第14条(議決事件の追加)

第5章 自由討議と議員立法審議会

 第15条(自由討議)

 第16条(議員立法審議会)

第6章 委員会の活動

第17条(委員会の活動)

第7章 政務活動費

第18条(政務活動費)

第8章 議会及び議会事務局の体制整備

第19条(議員研修の充実強化)

第20条(議会事務局の体制整備)

 第21条(議会図書室の充実)

 第22条(広報広聴機能の充実)

第9章 議員の政治倫理、身分及び待遇

第23条(議員の政治倫理)

第24条(議員定数)

第25条(議員報酬)

第10章 見直し手続

第26条(見直し手続)

第11章 雑則

第27条(委任)

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