2019年9月議会
(1)農地の基盤整備
(2)物産振興拠点施設
(3)メインゲートラインの今後の方向性
【背景】
沖水地区は,医師会病院や北消防署ができ,今後,志布志道路ができたり,道の駅がリニューアルしたり,JAの本所が移転したりと大きく変化していくことが見えています。そのため,耕作放棄地がほとんどないにもかかわらず,ある法人では請け負う農地がここ10年で10町ほど無くなったと伺いました。この地域では,農地を守りつつも,都城の発展に寄与するというジレンマがあるようです。そこで,都城の基幹産業である農業がどのようになっていくのか気になるところです。
(1)農地の基盤整備
【質問】
高木工業団地が整備され,かなり経過しますが,倉庫業を中心とする企業誘致が行われ,田中道路では大型トラックの出入りが多くなりました。25年前私は高校生でしたが,通学に田中道路を使用していました。現在の高校生で,田中道路を自転車で使用する姿をほとんど見ることはありません。道路は整備されましたが,それ以上に交通量が増加し危険な状態にあります。田中道路の両サイドは田畑です。このような状況ですので,昔はできていた農作業がやりにくくなっている現状があるようです。具体的に申しますと,収穫物の積み込み作業になりますが,トラックの往来が激しく危険だということです。昨年は,積み込み作業中に大型トラックに追突される事故もあったようです。田中道路の裏側に農道の整備をという声もありますが,それは予算的に厳しいものと考えています。例えば,田畑の出入り口に駐車スペースでもあれば安心して安全に農作業をできるのではないかと考えます。
質問します。工業団地造成による交通量増加に伴う農業への影響をどう考えているのでしょうか。
【答弁】
工業団地造成による農業への影響は,周辺で耕作されている農業法人からも相談を受けており,承知いたしております。しかしながら,田畑内の一部に駐車場を整備する事業はないところです。相談を受けました道路周辺は,駐車禁止の区間とされておりますので,交通法規等の遵守を第一に,適切な道路利用をお願いしたいと考えております。
【質問】
道路整備の1つとして,現在,志布志道路が建設中ですが,沖水地区では,基盤整備された田畑を斜めに通ることになっています。土地買収の結果,多くの三角地が残ることとなりました。三角地では,大型機械を使用することができず,農業の効率が悪いため,個人農家が困っている状況があるようです。三角地でもまだよい圃場については,法人が預かり,法人が県単事業を活用し畦畔除去を行っているようです。しかし,県単事業の補助金は,ダンプなどの経費分しかないため,労務費を法人で負担して,地域の農地を地域で守ろうとしているようです。そのため,全ての三角地を受け入れることはできず,また経費も負担となり,このままでは集落営農をやっていけなくなるのではという声もあります。
質問します。志布志道路整備に伴う農業への影響をどう考えているのでしょうか。
【答弁】
整備計画では,影響を受ける農地が極力,生じないよう配慮されていると考えますが,幾分かは三角形状の農地が生じる見込みであります。基本的には,不整形な農地が残った場合は,残地補償の対象となり金銭的な補償がされております。しかしながら,耕作時の不自由は生じますので,隣接地権者の同意を得られれば,国,県の補助を活用し,土地を分割している畦畔の除去を行い,一体的に耕作することで緩和されるケースもあると考えます。
【提言】
影響を受ける農地が生じる。耕作放棄地であれば三角地ができようと交通量が増加しようと農業には関係ないかもしれません。農地への補償であって,農業に対しての補償ではないかと考えます。先ほどの答弁でもありましたが,農業への影響も理解しているようでしたら,何か対策を行う必要があるのではないでしょうか。先日の同僚議員の質問の中でもありましたように,基幹産業である農業への支援を十分にしていただきたいと考えます。
【質問】
北消防署の西側にトラックターミナルができるという話があります。過去に基盤整備で公費を投入した圃場については,第一種農地として,農地を守るとういような答弁がありましたが,この件はどのようになっているのでしょうか。
質問します。トラックターミナル整備の実態とその課題についてどう考えているのでしょうか。
【答弁】
トラックターミナル整備計画の経緯につきましては,平成30年7月に計画者から市へ具体的な計画の説明があり,農振除外について相談がありました。ご質問の件の計画地は「農業振興地域の整備に関する法律」いわゆる「農振法」上,一団の農地の周辺にあたるなど,農振法第13条第2項に規定される農振除外の5つの要件を満たしたと判断して,平成31年3月に農振農用地からの除外手続きを完了しております。農地転用に関しましては,現た場合は,沖水地区市民センターが500m以内にあることから農地法の立地基準上は,第2種農地にあたり,計画内容など一般基準に問題がなければ転用が可能となります。この他地域への影響につきましては,小学校が近くにあること,地域住民の生活道路に隣接していることなどが考えられましたので,教育委員会に協議・確認するとともに,地元公民館の役員の方にも説明し,地元説明会開催の地元からの要望について,計画者からは対応する旨の回答も頂いたところであります。また,営農上の影響につきましては,計画地のほとんどを耕作していた地元の集落営農法人に対して,計画者が計画内容の説明をし,法人としては,特段,反対意見はなかったと伺っております。
【提言】
個人の土地の売買に学校も法人も反対はないかと思います。しかし,十分に説明していただき,問題が起こることのないようにしていただきたいと考えます。そして,もし事故や影響があった場合に十分な対応をしていただきたいと考えます。繰り返しになりますが,例えば,工業団地ができ,交通量が増加し,それに伴い数年後に周りの農業に影響があるということがないよう,また,影響があれば解決していただくよう提言したいと思います。
(2)物産振興拠点施設について
【質問】
市内には,朝霧の里みやこんじょや道の駅山之口をはじめ約50の物産関連施設があります。道の駅都城は,平成29年度年間販売額は約1.6憶円で,「JAF会員が選ぶ、あなたのイチオシ道の駅グランプリ2017」において,九州・沖縄部門で1位を獲得したこともあり,来館者や売上は増加傾向にあるようです。都城市物産振興基本計画の基本目標の一つに,地の利と都城ブランドを活用した需要喚起とファンの確保とあります。そして,物産振興拠点施設の導入機能として,食べる,買える,売る,楽しめる,伝えるの5つの機能が書かれています。
質問します。物産振興拠点施設の施設として,どのようなものを現在計画しているのでしょうか。
【答弁】
昨年度策定しました都城市物産振興基本計画に基づき,その核となる物産振興拠点施設の整備基本計画の策定を進めているところであります。この施設は「肉と焼酎のふるさと・都城」の新たなランドマークとして,物産並びに観光振興に係るゲートウェイ・ハブの機能を果たすことで,多くの方に,ここを目的に訪れていただけるような魅力あふれる施設とすることを目指しております。そのためには,多くの方を呼び込み,市の物産品を購入いただくこと,市の物産品を大都市圏中心に売り込み,販路開拓・販路拡大を行うこと,市内事業者のために付加価値の高い新商品開発支援を行うことが重要であると考えており,これらの役割を担う施設として,「食べる」「買う」「つくり」「売る」などのキーワードに基づき,導入機能や規模などを検討しているところであります。
【質問】
ふるさと納税や,ミートツーリズムなど肉と焼酎を活かした観光戦略は,都城の発展に大きく寄与していると考えているところです。さらに広める力の強化として,「肉と焼酎のふるさと都城」のシンボルまたはランドマークの設置も計画にあるようです。都城の南の拠点がMallmallであれば,北の拠点がこの物産振興拠点施設になるのではないかと期待をしているところです。志布志道路が開通すれば,インターの近くに目的となるような施設がなければ素通りされてしまいます。市外の方々に都城によっていただけるようにするには,道の駅の中に日本一になるようなものが必要ではないかと考えます。
質問します。道の駅都城の機能や施設の目玉としてどのようなものを考えているのでしょうか。
【答弁】
道の駅「都城」を「肉と焼酎のふるさと・都城」の新たなランドマークとして整備することから,本市の「日本一の肉と焼酎」の素晴らしさが最大限に伝わるような食の提供や販売を目玉にしてまいりたいと考えております。来場者の方々に都城市の食の魅力をどのように伝えるのかが,施設の成否を左右する重要な要素と考えておりますので,ここにしかない,来場者の想定を超える施設とすることで,「ここに行きたい」という来場動機を増やし,滞留時間の延長や多くのリピーター確保につなげ,物産振興と交流人口の拡大を実現してまいりたいと考えております。
【提言】
道の駅によっては,いくつもの飲食店が入りモールのようになっていて,平日でも多くの客でにぎわっているところもあります。食の魅力を伝え,来場者の想定を超える施設とするということですので,期待しています。また,子どもが楽しめるところには一緒に大人も行きます。是非,子どもが楽しめるコンビネーション遊具のある広場的な施設の検討もしていただくよう併せて定言いたします。
(3)メインゲートラインの今後の方向性について
【質問】
都市計画マスタープランのなかで,都城インターから市街地へ行く国道10号線沿いをメインゲートプランとして位置づけており,これを背景に都城立地適正化計画が策定されております。このメインゲートライン,特に都城ICあたりの整備をどのように考えているのでしょうか。集落営農の方に話を伺うと,地域の農地を守るという考えと,地域の発展のために農振除外はしかたないという考えの両方を皆さんもっているようです。しかし,どこでもいいというわけではなく,メインゲートライン,つまり国道10号線沿いはしかたないが,他の農地は守りたいとあるようです。
質問します。メインゲートラインの都城IC付近における農振除外と農業振興についてどう考えているのでしょうか。
【答弁】
本市では,優良な農地を確保・保全するとともに,農業振興のための各種施策を計画的に実施するために,「農振法」に基づき,本市の総合的な農業振興の計画として,「都城市農業振興整備計画」策定しております。この計画に基づき農地の適切な土地利用に努めていくこととしております。都城IC付近の農地の土地利用につきましては,今後とも「都城市農業振興地域整備計画」に基づき農振農用地内の農地として適正に管理していく方針です。また,同地区内の農地の農振除外につきましては,今後も,農振法及び関係法令に基づき,適正に対応することとし,加えて宮崎県農村計画課等をはじめとする関係機関等と連携し,農地の適切な維持管理に努めていきたいと考えております。
【質問】
都城インターを降り,田園風景と霧島を見ると都城に帰ってきたなぁと感じます。また,市外の方が都城に初めてやってきたときに,この風景を見てここが都城かと思うそうです。この印象は,都城を選んで来てもらうためには大切なことではないかと考えます。夏には,ひまわり畑が出現するのですが,やぶで見えず残念なところです。また,無作為に田畑が無くなっていくと,ふるさと都城としての想いも無くなっていくように感じます。みやざき新農業創造プランによるとH26年度時点で本県農業の生産構造は,25%を占める農業法人や主業農家が,約5割の経営耕地を担い,約8割の農業算出額を生み出しています。来年度には9割の農業産出額を生み出すと見込んでいるようです。都城の産業基盤は農業であり,県としても,集落営農に関しては都城の農業法人をモデルとして進めているという話も伺いまいた。新潟市では,ニューフードバレー構想をもとに,国家戦略特区の認定を受け農家レストランを実施したり,宿泊型の農業体験施設を整備しすべての小学生に農業体験をさせ,地域の農業を元気にするための教育ファームを実現しているそうです。本市においてもそのようなことが可能ではないかと考えます。
質問します。今後,農業振興のために国家戦略特区の考えはないのでしょうか。
【答弁】
都城ICから南側の国道10号線沿線の農地に関しましては,農地のほとんどが農振農用地であり,農地法上の第1種農地であることから,原則として農振除外・農地転用を許可しない農地として位置づけられており,農業政策と関連した国家戦略特区の検討はしておりません。しかしながら,先ほど説明いたしました「都城市農業振興整備計画」において,本市の「農業振興に資する施設」に位置付けることができる計画等につきましては,例外的に農振除外や農地転用が可能な場合もございます。そのような場合は,「都城市農業振興地域整備計画」の中で農業振興のための施設として設定することや「国家戦略特区」制度の活用も視野に入れることは可能であると考えております。
【提言】
本市では現在,中心市街地の活性化を実施しております。それを拡大し,都城ICからあさぎりの里,物産振興拠点施設,Mallmallという点から線につながったメインゲートラインの活性化が都城全体の活性化につながると考えます。また,さらには,ICの近くに観光客がよりたくなる魅力あるエリアがあれば,より都城に来てもらえるのではないでしょうか。そして,日本一の肉と焼酎のふるさと都城が広がっていくと考えます。そのためには,基幹産業である農業を中心に国家戦略特区制度の活用を検討も提言したいと思います。
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